2012年6月5日

妻の暗誦

妻が時どき何やら耳に心地よい言葉を連ねることがあるので、それはいったい何かと聞いたところ、どうやら金子みすずの詩を暗誦しているようだ。小学生のころに覚えたらしい。サクラに聞かせているのを傍で聞いていると、不思議と気持ちが安らぐ。
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文章は基本的に目で読むものだと思っていたが、詩は音読することで味わいが増すのかもしれない。また、妻が20年近くをかけて繰り返し暗誦するうちに備わった、妻独自の魅力のようなものもあるように思える。このあたり、歌手が長年大切に歌いこんだ楽曲が味わい深いのと似ているかもしれない。

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妻を通じて知った詩を二つ紹介。口に出して読むと、そのリズムが気持ち良いですよ。
『わたしと小鳥と鈴と』
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面を速くは走れない。

私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように
たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
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『大漁』
朝焼小焼だ
大漁だ
大羽鰮の大漁だ。

濱は祭りのようだけど
海のなかでは
何萬の
鰮のとむらい
するだろう。
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こんな詩も教えてもらった。俺もなにか覚えようかな。
『こころ』
お母さまは
大人で大きいけれど。
お母さまの
おこころはちいさい。

だって、お母さまはいいました、
ちいさい私でいっぱいだって。

私は子供で
ちいさいけれど、
ちいさい私の
こころは大きい。

だって、大きいお母さまで、
まだいっぱいにならないで、
いろんな事をおもうから。
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ところでサクラ。指って、そんなに美味しいのかい?

4 件のコメント:

  1. いちは先生、こんにちは。

    みすずの詩をお子さんに読んで聞かせるなんて、素敵な奥様ですね。多分古くからのファンでいらっしゃるのでしょう。長いこと彼女は埋もれてましたから。

    みすずの生涯についてはドラマや映画化されてますのでご存じかもしれません。それを知った上で詩を読むと(お仕事柄)感慨深いかも。

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    1. >hirokoyoshidaさん
      ファンというか、覚えているらしいんですよね。子どものころに覚えたものが、成長してから活きるっていうのは凄く素敵だなと思いました。金子みすゞの生涯についてはなんにも知らず、ちょっと調べてみようかなと思います。

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  2. 金子みすゞ、3・11直後のCFでイメージを落としてしまったかもしれないですね。
    私も詩集をもっています。切ない人生ですね。

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    1. >佐平次さん
      俺は3・11のあとに知ったんですが、あの詩が改変されてネタになっていたのに便乗して面白がっていた者でして……。妻が口ずさむまで、こんな素敵な詩をたくさん書いている人だとは知りませんでした……。

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