2014年6月18日

後世に残る名著 『精神症状の把握と理解』


これは非常に名著であった。

2部構成になっており、第一部は「精神症状の診断」で、これは症候学である。非常に分かりやすく、それでいて深い内容であり、初学者には手放しでお勧めできるし、中堅入りかけの医師が知識の再確認に読むのにも適していると思う。

第二部は「精神医学特論」で、「感情の科学」「統合失調症症状の理解」「ストレスと精神健康」「新しい記憶理論と記憶障害の臨床」「面接における会話―とくに質問の形をめぐって」に分かれている。中でも最後の「面接における会話」は、たった14ページの中に精神科診察時における質問のエッセンスが凝縮して提示され、そしてそれがまったくもって押しつけがましくないところに畏敬の念をおぼえてしまった。

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