2014年10月15日

【エボラ】 システムやプロトコルが完璧でも、現場は人で動く

アメリカでエボラを発症して亡くなった患者を看護していた看護師が感染して治療を受けている。スペインに続き先進国の病院での感染は2例目である。先進国でのエボラ治療はせいぜい数十人程度しかやっていないにもかかわらず、医療従事者が2人も感染するのは、医療上の感染事故率として脅威的な数字である。

このアメリカでの看護師の感染事故に対しCDCの局長は、「重大なプロトコル違反があった」とコメントし、それが批判を浴びることになっている。当然である。

仮に今回の感染の原因がヒューマン・エラーであったとしても、本来は「ヒューマン・エラーがあっても感染事故につながらないシステム」を目指すべきであって、感染事故が起きた場合にはそのプロトコルのどこにエラーの起きやすがが潜んでいるのかを検証するのが大切である。だから、事故直後に「プロトコル違反があった」と言ってしまうのは対応としてお粗末だった。その後、CDCはプロトコルの見直しをすると発表している。

完璧で適切なシステムやプロトコルがあったとしても、現場で人が動く以上、それが完璧で適切にはたらくかどうかはまた別の話なのだ。

日本では国立感染研究所の高官が、
「日本は患者を安全に扱うための適切なシステムがある」
と語ったという件は以前に書いたが、適切なプロトコルがあって自信満々だったはずのアメリカで看護師が感染したということを他山の石とすべきであろう。

局長の失言はともかくとして、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)のホームページの作り方はさすがだと感心する。
Centers for Disease Control and Prevention
平成26年10月15日時点で、ホット・トピックであるエボラをトップページで大々的に扱い、そのエボラ特集のページにしても凄く分かりやすい。英語とスペイン語に対応しており、医療の専門家でなくても、また文字の読めない人でも理解できるような絵を主体としたPDFパンフレットも置いてある。CDCのこのサイトは、英語が読めない日本人が見たとしても、魅力のない国立感染研究所のエボラのページよりは滞在時間が長いんじゃなかろうか。ついでに言えば、CDCはサイトURLもスマートである(http://www.cdc.gov/)。

<参考>
U.S. CDC head criticized for blaming 'protocol breach' as nurse gets Ebola

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