2014年12月17日

涙のテレフォン人生相談

先日、出張の送迎車の中で聴いたテレフォン人生相談はグッときた。

老母を介護する独身52歳女性。80歳を過ぎた母は認知症がひどい。しかし施設には預けたくない、近くにいてあげたい。
母と二人暮らしで、頼れるのは離れたところに住む腹違いの姉だけ。そんな姉に、自分が倒れたら母の面倒をみて欲しいと話すと、
「わたしは施設に預けて、年に4回くらい会いに行く」
と言われた。そんな不憫な最期にはさせたくないから、母が亡くなるまでは自分もしっかりしないといけないと考えている。

「あなたは優しいね……」
女性回答者からそう声をかけられた彼女は、涙声で、
「……、優しくなんかないんです!」
と強く否定した。

夜に寝ない、時には興奮する。そんな母の問題行動に、思わず手をあげてしまうこともあるという。
わたし叩いてしまうんです、母をね、叩くんですよ。それでアザができたことだってあるんです。でもは母それを人には言いません。アザを指摘されても、ニコニコして黙っているんです。わたしに叩かれたなんて言わないんです。わたし、優しくなんかないんです、ぜんぜん優しくなんかないんです……。

これに対して、回答者、鼻をすすりあげ、声を震わせながら、
「これが答えになるか分からないけれどね……、私があなたの親だったら……、私はね……叩かれても……、あなたに介護してもらいたいっ……!」

ラジオから流れる、涙と涙のぶつかり合い。

相談された時って、大切なのは何を語るかじゃないんだね。言葉の中身より、一緒に泣いてくれたり怒ってくれたり、そういうことが大事な時があるよなぁって、しみじみ感じた。

運転手さんと二人して、もらい泣きしそうになったわ。

テレフォン人生相談は、精神科医としても勉強になる。

6 件のコメント:

  1. Ciao いちはさん
    いい人ですね、、
    私も泣きそうになりました
    堪らなくなってお母さんを叩くとき、彼女の手はお母さんより痛いんだろうなあ
    ぶっちゃったあとは、自己嫌悪で心が痛いんだろうなあ
    辛いですいね、こういうの お互いに
    ちょっとでも嬉しいことやホッとすることが彼女に訪れますようにと祈ります

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    1. >junkoさん
      この話は本当に現代日本の一面の真実をあらわしているように思いました。
      介護施設が少なすぎ、あるいは介護員の給料が安すぎ、そういう事情があって、超高齢社会なのに国全体として介護の総量が不足していて、だから彼女のような人たちが苦しみながら支えていくしかない。
      明るい話としては、今度からヘルパーさんが来てくれて、週に数時間、自分の自由時間がもてるようになるとのことでした。

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    2. 介護の人材不足は深刻ですね…。昔、パートを探していた時に介護施設で短時間のパートを無資格からでも可という求人を見つけて応募した時の話です。
      介護自体資格のいる仕事なので、資格が無くても出来る程度の仕事が回ってくるのか、ある程度教育があるのかと思っていましたら、全く違いました。

      初日に案内されたのは、首から下が完全にマヒをしていて会話も出来ない方の介護でした。意思の疎通も出来ない、でも意識はシッカリされている。介護の内容も有資格者がガッツリやる入浴・排泄・食事…全てを1日研修するから、明日から全部一人でやるように。

      そう指導されて、これはマズイ…と思い即、辞めました。

      自分も介護と言う仕事への認識が甘かったと、強く反省した出来事でした。

      時給が750円での募集という事もありましたが、現実的な話で750円なら近くのスーパーでレジを打っている方が精神的にも肉体的にも楽に稼げます。

      そこの施設も即戦力が欲しくて藁にもすがる想いだったとは思いましたが、初心者に全介助の方を1日研修で時給750円は、スミマセン、無理でした。

      自分も介護・医療に対して甘い考えだったと反省して、当時を振り返りますが、また働きたいか?と問われると、よほど好きでないと厳しいなぁ…と正直思いました。

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    3. >ゆうさん
      介護職の人は、本当に尊敬しています。
      診察室についてくる介護職員には、タイミングが許す限り、
      「おつかれさまです」
      と声をかけるようにしています。

      750円……、ありえない金額ですね……。

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  2. 私も、テレフォン相談の方と全く同じことをしました。母を何度も叩きました。9年近く一人で神経難病の母を介護していたときのことです。

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    1. >匿名2014年12月25日 10:00さん
      9年も……。
      さぞ大変だったことでしょう。テレフォン人生相談の回答者は、
      「人と人とが命がけでぶつかったら、手が出てしまうのも仕方がない」
      そんなことを仰っていました。全肯定はできませんが、全否定もできません。

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