2014年12月5日

「共感」にいたるプロセス 神田橋先生の『精神科講義』より

共感について、神田橋先生は、
「思いやり」や「思い入れ」→「思い込み」→「洞察」→「共感」
という流れで進むと言う。このことについて、神田橋先生の言葉を使ってもう少し詳しく書く。
最初は「患者を助けたい、支えになりたい」と考える。その思いやり、思い入れの熱心さが昂じて思い込みになってしまう。
「分かる分かる、あんたの言うことはよく分かる」
みたいな。しかし、そこで立ち止まって、
「いやいや、他人のことなんてそう簡単には分からないぞ」
と考えると、ズレが見えてくる。これが洞察。そうすると、異質な部分が見えながら、ある部分については思い込みのときとは異なった「ジーンとする感じ」が出てくる。これが共感。
本章の中で、この「洞察」が生じるような質問の工夫の仕方が紹介してある。

まずは会話の中の「重要な言葉」に着目する。
「私がこうなったのは、結局母のせいだ」
と言われたら、「せいだ」が重要な言葉であり、
「母のせいって、どういうこと? もう少しそのあたりを話してみて」
と問いを返す。
「母は分かってくれない、だから私はこうなった」
ときたら、
「お母さんが分かってくれる、分かってくれない、というのをもうちょっと詳しく」
と返す。
次に頻度の多い言葉に注目する。
「私は古い人間だから」「私のこういうところが古いんですかね」
というように「古い」の頻度が多い人には、
「あなたの言う『古い』とはどういうこと?」
と尋ねてみる。
精神科講義

名著ときどき迷著。精神科を数年やってから読むほうが良いと思う。

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