2015年1月29日

医師の暴言と、「先生には失礼ですが」という口癖

ある患者家族と話していて、その人が何度となく、
「先生には失礼ですが……」
と言って話し始めるので、そのたびに身構えるのだが、出てくる質問や言葉は別に失礼でもなんでもなかった。とはいえ、そうやって何度も身構えるうちに、だんだんと気持ちが守りの姿勢になってきて、そのうち厳しいことを何か言われるんじゃないかと不安になってしまった。

本人は気づいていないと思うが、このような相手を防衛的にさせる口癖というのは、自らを不利にしてしまうんじゃなかろうか。

このことについて、
「その人は、過去に医師から手ひどく叱られたことがあるのではないか?」
という推察をした人がいた。そして、自分を守るための事前防衛としてそういう口癖ができあがったのかもしれないというのだ。それが正解かどうかは分からないけれど、自衛のための口癖によって相手が防衛的になってしまうというのは皮肉なものだ。

ところで、医師が暴言を吐いたというニュースと動画がある。
医師がブラジル人患者家族に「クソ、死ね」?
正直、こうやって動画を撮られて晒されたことは、同じ医師として同情してしまう。時間外の受診で緊急性がないと判断したのに紹介状を書くように求められたら、さすがにムッとする気持ちも分かる。でもそこは抑えて、もっと上手いやり方があることも確かだ。

ただまぁ、ぶっちゃけ、こういう態度をとりそうな医師がいることも確かである。医師だって全員が慈愛にあふれているわけではないし、使命感と優しさが比例するわけでもない。

「クレイマー製造機みたいな医師、あなたの知り合いにいませんか?」

この質問を医師にしたら、8割くらいの人がYESと答えるんじゃないだろうか。そして、この質問を看護師や事務員にしたら、きっとほぼ10割がYESと断言するだろう。



以下、蛇足ではあるが、問題の医師らの発言や態度はともかくとして、彼らの診断力についての名誉のためにどうしても書いておきたい。このニュースには、
 ブラジル人少女はその後、静岡県内の別の病院で診療を受け、3週間入院したという。事実関係ははっきりしないが、少女は、強いウイルスに感染して内出血しており、手当が遅ければ命の危険もあったとこの病院から説明を受けたとしている。
と書かれている。良識ある医師の頭の中には「後医は名医」という言葉がある。後からみるほうが症状も検査結果もはっきりしてくるし、前にみた医師の診察や治療の結果を参考にできるので、より正確な診断や治療にたどり着きやすいということだ。ただし、自分が前医の場合、このことを言い訳に使ってはいけない。そして自分が後医だったなら、この言葉を決して忘れず謙虚であらねばならない。

0 件のコメント:

コメントを投稿