2016年1月4日

リーダーとしての役割を求められる人にお勧め 『野村の眼』

 
著者の野村克也は元プロ野球選手・監督であるが、本書は診療に携わる精神科医としても、病棟医長というリーダーとしても非常にためになる一冊だった。

野村克也が楽天イーグルスの監督をやっていた時期、自分よりもかなり若いコーチ陣に対してかけた言葉が良い。
「お前らには、決定権はないが発言権はあるんだ。遠慮はいかん」
これは自分も病棟スタッフに対するスタンスとして心がけていることであり、また時には言葉にして伝えることでもある。

「医師の判断も診断も治療方針も、絶対に正しいなんてことはありえない」
だからスタッフの「なんか変だぞ」という感覚や報告を大事にする。それが自分の感覚とズレている場合には、その原因がどこにあるのかを考える。患者と接する時間の長さや観察する時間帯の違いなのか、それとも自分が男でスタッフが女性だから感じ方が異なるのか、単に自分の見落としか、あるいはスタッフの考えすぎか等々。そして今後の方針を決定するが、決定権は自分にある。もちろん結果の責任も自分にある。

どんな医師もチームリーダーとなることは避けられない。生まれながらにリーダーとしての資質がある人は、自分の感性に任せてチーム運営すれば良いが、残念ながら多くの人にはそういう天性の素質は備わっていない。自分もそのことを重々分かっているので、こういう本を定期的かつ貪欲に読むようにしている。ちなみに、野村克也もかなりたくさんの本を読んで言葉を磨いたそうだ。プロフェッショナルとは、そうでなくてはならない。

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