2016年1月22日

非常に実践的な教科書 『統合失調症とその関連病態:ベッドサイド・プラクティス』


精神科の教科書は通読できるものが多い。というより、通読しなければ意味をなさないものが多数ある。本を開いて必要に応じた場所だけを読む、というやり方があまり通用しない。

本書は各章が各病態に対応しているので、必要な時に必要な章を読む“準”通読でも活用できるが、特に若手の精神科医は時間があるうちに通読しておいて損はないだろう。公私における時間的な余裕がどれくらいかによって違うが、本書だけに没頭できる環境なら一日で読み終えるだろう。

第一部は概説であり、これは精神科の病歴のとり方、診断や治療の考え方が述べてある。さすが中安信夫先生といった感じで、読みやすくて分かりやすい。

第二部は統合失調症に関して、「初期統合失調症」「急性期」「慢性期」に分けて、診断、留意点、治療技法、うまくいかなかった症例など具体的に記載してある。特に初期統合失調症には力が入れてある。

第三部は統合失調症の関連病態である広汎性発達障害、思春期妄想症、急性精神病、初老期・老年期の精神病(もの盗られ妄想や嫉妬妄想など)、第四部は抗精神病薬の副作用や妊娠・出産・授乳との兼ね合いなどについてである。

非常に実践的な本で、何度も通読する必要はない。若手のうちに一度目を通しておいて、あとは時に応じて読み直す程度で良いだろう。

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