2016年4月15日

統合失調症の人に対する薬の大切さの伝え方

統合失調症の人は症状が軽くなってくると薬を飲まなくなることが多い。そうすると幻聴や妄想が悪化してしまう。

例えば症状が悪化して興奮したとする。その後、入院や隔離などの紆余曲折を経て薬を飲むようになると、幻聴や妄想が改善していく。ある程度の話ができるようになった時点で、どういう言葉をかければ薬の大切さを分かってもらえるだろうか。

患者から、「悪口(幻聴)が減った」など、本人が楽になったことを教えてもらえた場合には、
「それが薬の効果だよ」
と伝えてあげると良い。これは指導医に教わった方法である。では、本人は楽になったとは感じていないものの、周りからは改善したように見える人にはどう言えば良いのだろうか。

最近は、患者に対する自分自身の気持ちや印象を伝えるようにしている。

「Aさん、薬を飲んで表情がやわらかくなりましたね」
「そう?」
「うん、薬を飲む前のAさんは怖かったですよ」
「そうですか?(笑)」
「飲んでもらったほうが話しやすいし」
「あー、それはそうかもしれません」
「そうでしょ。やっぱり飲んでおく方が良いですよ」
「そうねぇ」

こういう具合に、患者が薬を飲んだ前後で「医療者側が受ける印象の違い」を伝えることで、「そんなに違うのなら飲んでおこうか」と思ってもらえないかと期待してのことである。

こういうことは教科書に正解が書いてあるわけではなく、個々の患者ごとに手探りしていくしかない。ただ、上記した方法は、精神科の援助者が知っておいて損はないのではないかと思っている。

また、これらは身体の慢性疾患の患者にも似たようなことが言えるかもしれない。高血圧や糖尿病の患者には検査数値で1ヶ月の成果を示すだけでなく、
「やっぱりちゃんと飲んでいるから(食事・運動療法をやっているから)、見た感じ顔色や肌ツヤが良いですね」
そんな声かけが有効なのではないだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿