2016年4月21日

前医師の診察・診断はまず疑ってかかれ!

うつ病が長引いている人には改めて病歴をとるべきである。

出張先で初対面の人だが、うつ病治療が5年近く効いていない。初診時のカルテを見ると、診察したのは敬愛するK先輩で、かなりしっかりとした記載がされていた。ただし、躁病エピソードについては「躁病エピソードなし」としか書いてない。優秀なK先輩とはいえ、これは鵜呑みにはできない。そこで改めて問い直した。

若い頃に、

金銭浪費は? ない。
異性関係の乱れは? ない。
危険運転は? 時々あった。
睡眠欲求の減少は? あった。
同じ時期に気分の高揚は? あった。

これは決して「躁病エピソードなし」ではない。躁うつ病の治療に用いる気分安定薬を試す価値はある。ただし、昨日の時点では諸事情あり処方はしていない。

この情報が今後の治療につながることを願う。

このケースは、うつ病を5年も治療して良くならず、過去のカルテをさかのぼったら初診が敬愛する先輩で、だからこそ「穴を見つけたい」という俺の心理が燃え上がり、躁病エピソードを発見できた。

知識・観察力・洞察力・記載力に秀でた先輩ですら見落とすことがある、あるいは記載不十分なことがある、という当たり前のことを再確認した診察だった。

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