2016年10月21日

精神科の患者から「薬をやめたい」と言われたら……

統合失調症の患者が「薬をやめたい」と言う場合、理由を聞き、再発リスクを説明し、それでもやめたいと言うなら「試しに減らしてみましょう」と妥協案を提示する。丁寧に話をしていけば、「それでもやめてみます」と結論する人はそう多くない。そもそも、本気で薬をやめようと考えている人は、わざわざ受診しないだろう。外来に来て「やめたい」と言うのは、それ自体が何らかのメッセージであると考えるべきだ。

「薬をやめたい」と言われて、理由を尋ね、続けるよう説得し、その結果がどうであったか。そのやり取りは、なるべく詳細にカルテに記しておく。その内容は、後日、必ず役に立つ。

「薬をやめたいと言うため、続けるよう説得したが本人の意思が固い。一旦中止する」
こんな記載は、将来同じ事態になった時に読み返してもまったく参考にならない。本人が薬をやめたい理由、こちらの説明内容、それを聞いた患者や家族の様子、その結果としての決定、そして、できれば要した時間などを詳しく書き残しておけば、いずれ同じような事態になった時に参考になる。

「こういう説明では通じなかった」
と具体的に書いておくことは大切だ。「押してダメなら引いてみろ」という言葉があるが、これを実践するためには、過去の説得が押したのか引いたのかが分からないといけないのだから。

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