2016年10月18日

先入観を持たれたり、誤解を受けたりする人の辛さを、子どもたちにそっと優しく語りかける良い絵本 『ちいさなプリンセス ソフィア ひみつのとしょしつ』


雪に覆われている国フリーゼンバーグで、国王が庭係に「雪国でも育つ花」を探しに行かせる。庭係は「雪のしずく」という花を持ち帰り、国王は喜んで国中に植える。そして、毎年「冬の花祭り」を開くようになった。ところが、「悪い妖精のネトル」が雪のしずくをすべて盗んでしまう。

ようやくネトルを見つけた主人公ソフィアは、こう説得する。
「お花を盗らないで。この国の人にとって凄く大切なものなの」
それに対するネトルの言葉が深い。
「あら、私にとっても大切なものよ。そうは思わなかったの?」
実は、「雪のしずく」は妖精ネトルがフリーゼンバーグの人たちや国王を喜ばせたくて、長い年月をかけてつくった花だったのだ。そうとは知らない庭係がたまたま見つけて、すべて持ち帰っていたのだった。

つまり、関わった人の誰にも悪意はなかったのに、「悪い妖精」という先入観によって誤解を受けたネトル一人だけが悪者にされていたという話。
「あら、私にとっても大切なものよ。そうは思わなかったの?」
娘に初めて読み聞かせしたとき、この一言の重さに打ちのめされた。

先入観を持たれたり、誤解を受けたりする人の辛さを、子どもたちにそっと優しく語りかける、すごく良い絵本だと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿