2016年12月8日

レビー小体型認知症の介護のための本2冊を読み比べてみた 『レビー小体型認知症がよくわかる本』 『レビー小体型認知症の介護がわかる本』

  
レビー小体型認知症の患者家族から、「どう対応したら良いでしょうか?」と質問されることがある。これにうまく答えるのがなかなか難しい。というのも、「何についての対応か」が曖昧なことが多いからだ。幻視や妄想に対してなのか、パーキンソン症状についてなのか、あるいはその他の何かなのか。

多くの場合、家族がもっとも驚いている、あるいは理解に苦しんでいるのは幻視や妄想といった症状である。だから、きっと幻覚妄想への対応についての質問だろうと考え、「こうしてみたらどうでしょう」というのをいくつか提案する。ところが、この提案がすんなり受け容れられるわけではない。

これはレビー小体型認知症の患者家族に限った話ではないが、医師の提案というのは、切羽詰まっていたり時間的に余裕がなかったりする家族にしてみれば、呑気すぎるか非現実的かに感じられるのだろう。残念ながら、幻覚や妄想のある患者への特効薬的な対応はないし、家族が介護の中心とならざるをえない日本の現状もすぐには変えようがない。

それでもなにか良い知恵はないものか、ということで、この2冊を読んでみた。医療者向けではないので、治療の詳しいことは書いていないが、介護する人たちが知りたいと思うことは網羅されているのではなかろうか。

どちらもレビー小体型認知症を発見した小阪憲司先生が関わった本なので、内容的には大差ない。大きな違いは、イラストと文字である。『よくわかる本』のほうは「イラスト図解」と銘打ってあるだけあってイラストが多い。また文章は縦書きと横書きが混在している。文字の大きさは普通の文庫と同じか、少し大きいくらい。『介護がわかるガイドブック』のほうは、すべて横書きで、文字が太く大きく、イラストは挿し絵程度にしかない。

認知症全般に言えることだが、介護するほうも高齢者か中年以降ということが多い。だから、文字の大きさや文章量は大事だ。小さな文字で書かれた大量の文章を読む時間も体力も気力も視力ないのだから。両者とも文章量は抑えぎみであるが、老老介護という人にはちょっと大変かもしれない。そういう人にどちらか一冊を勧めるとしたら、『介護がわかるガイドブック』かなぁ。

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