2017年5月11日

子どもの発達・育児科学に関するノンフィクションで、決して育育児ハウツー本ではない! 『間違いだらけの子育て 子育ての常識を変える10の最新ルール』


邦題が『間違いだらけの子育て』、しかも副題が『子育ての常識を変える10の最新ルール』なので、育児書を想像してしまう人が多いと思う。しかし、これは邦題のミスリードだ。本書は発達や育児に関する科学的な研究の成果をノンフィクション作家がまとめたものである。

原題は『Nurture Shock』である(副題は「New Thinking About Children」)。子どもがどういう大人になるかについて、日本語で「氏か育ちか」という言い方をする。英語ではこれを「Nature or Nurture」という。生まれつきなのか、それとも養育環境によるものなのか。おそらく答えは「Nature AND Nurture」、つまり「氏も育ちも」ではなかろうか。

本書は原題が示すように、「Nurture」つまり「育ち」に関する知見についてまとめたものだ。イラストつきで読みやすい育児書を期待して買うと落胆するだろう。あくまでも発達・育児の科学をテーマにしたノンフィクションである。各章のタイトルはAmazonの書籍紹介にもあるが、小見出しも中身を知るのに有用だと思うので、抜粋・記載しておく。

はじめに 子育て法の多くは逆効果!

第1章 ほめられる子どもは伸びない
頭のよい子が伸び悩むわけ
自尊心は、学力向上につながらない
ほめるなら、具体的にほめよ!
“ほめ中毒”になっている親

第2章 睡眠を削ってはいけない
わすかな睡眠不足でも影響は大きい
子どもの脳に睡眠がはたす役割
睡眠不足は肥満につながる

第3章 触れ合いを増やしても、差別はなくならない
子どもは人種の違いを認識している
偏見が芽生える時期
異人種間の交流が効果のないわけ

第4章 子どもは正直ではない

第5章 IQは生まれつきの能力ではない
知能テストを信頼する誤り
IQは変わらないという幻想
幼児の知能は、きちんと把握できない
脳の使い方の変換が、優劣を決める

第6章 きょうだい喧嘩を、叱るだけではいけない
きょうだいのいる子は処世術に長けている?
きょうだい喧嘩は、“予防”が大切
いじめ方をどこで学ぶか
きょうだい仲は、下の子どもが生まれる前に決まっている

第7章 親との対立は、絆を強めるため
寛大な親の子どもほどよくキレる

第8章 頭より、自制心を鍛えよ
遊びが促す“対話的思考”
欠かせない認知制御

第9章 子どもの攻撃性はマイナス要因ではない
教育番組がかえって攻撃性を高めている
子どものためになる夫婦喧嘩
進歩的な父親ほど分かってない

第10章 言葉を覚える早道を誤るな!
赤ちゃん向けDVDは役立たない
赤ちゃんに話しかけるより、どう反応するかが肝心
言葉を早く習得できる方法

おわりに 大人の視点で子どもを見てはいけない

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