2014年10月5日

エボラに効く薬が発見!? これで喜ぶのは無邪気すぎる!!

フランスで治療されていたエボラ患者が回復したようだ。「日本の薬を投与した」と見出しをつけた記事が多いが、きちんと読むと、この患者は日本の薬投与されていたのであって、実際には3種類の薬を投与されていることが分かる。とはいえ、いずれにしろ、多くの人にとっては「エボラに対する治療薬が発見された」という朗報に感じられるだろう。

しかし、これで安心するのはあまりに早計である。

確かにエボラは致死率50-90%という非常に危険な病気である。ただしこれは、ひっくり返せば回復率10-50%ということでもある。つまり感染者の10-50%は、薬とは無関係に回復するのだ。だから、この患者が薬の効果で回復したのかどうか、実はこの一例だけではなんとも言えないのである。

過去に類似薬がないまったくの新薬は、プラセボとの対照試験をしないと効果が分からない。しかし、治験するにしても致死率の高いエボラでは倫理的にプラセボ群は用意できない。今後たくさんの感染者に投与して、明らかに効果があると分かるまで楽観してはいけない。

また、もし薬が効いて回復したのだとしても、3種類のうちどれが効いたのか分からないし、それをこの先どうやって特定するかも悩ましい。というのも、やはり倫理的に投与群をいくつかに分けて研究することが難しいからだ。しばらくは3剤併用になるのではなかろうか。

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2014/10/4
【パリ=共同】フランスのトゥーレーヌ保健相は4日、エボラ出血熱に感染し日本の製薬会社が開発したインフルエンザ治療薬などを服用していたフランス人女性看護師が治癒し、病院を退院したと発表した。フランス公共ラジオが伝えた。
服用していた日本の薬は、富士フイルムホールディングス傘下の富山化学工業(東京)が開発した「アビガン」(一般名ファビピラビル)。フランス保健省は米国、カナダの製薬会社が開発したものも含む計3種類の薬の投与を「実験的治療」として認めていた。
フランスの医療チームは11月にも西アフリカのギニアで、アビガンの投与を実験的に開始する方針。フランス国立保健医療研究所の担当者は「大量生産ができる態勢で副作用への懸念が少ないこと」などをアビガンの利点に挙げている。
女性は国境なき医師団(MSF)のボランティアとして活動していたリベリアで感染が発覚。9月19日にパリ郊外の病院に搬送された。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG0402H_U4A001C1CR8000/

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返事が遅くてすいません。