2011年12月3日

認知症の人への対応の一助になるようなエピソード

認知症の人は時間の流れ、繋がりといった概念が薄くなる。俺たちが“線”で生きてるとするなら、認知症の人は“点”で生きている。

学生時代、ある施設のかたが、こんなエピソードを教えてくださった。

認知症のお婆ちゃん。毎日夕方になると、自分の家のお嫁さんに、
「お世話になりました。主人の夕食を作らないといけないので、そろそろ帰ります」
と言って家を出ようとする。お嫁さんは毎日毎回、
「お義母さん、ここは貴女の家ですよ」
と諭すが、お婆ちゃんは聞く耳を持たず、挙句ケンカになってしまう。そんな毎日に疲れたお嫁さん、
「もう良いや、好きにさせよう」
ってことで、お婆ちゃんが家に出るのを引き止めなかった。引き止めなかったけど、後ろからついて行った。後ろから見ていると、お婆ちゃんはしばらく歩いて疲れた様子だった。そこでお嫁さんは声をかけた。
「お婆ちゃん、お疲れみたいだから、うちに泊まっていきませんか?」
そしたらお婆ちゃん、笑顔で、
「すいません。お世話になっても良いですか」
それ以来、嫁姑のケンカは少なくなった。

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