2013年1月22日

セックスボランティア


タイトルは人目を惹きつけるやや過激なものだが、中身は障害者の性について考えることからスタートし、障害者に限らず「性とはなにか」という問題に行きつく凄く真面目な本。ただし、文中には、オナニー、マスターベーション、セックス、フェラチオといった単語が出てくるし、決してお堅い本ではない。読みやすくて、いろいろ考えさせられた。

脳性麻痺の男性を風俗店に連れて行くのを介助するのみならず、オナニーまで手伝う男性介護者、障害者専門のデリヘルで働く聴覚障害の女子大生、体の動かない障害者にセックスボランティアを行なう主婦など、いろいろなエピソードを交え、遠くオランダまで性介助について調査に行く。短時間で読める本だが、読みごたえはある。

印象的な話は多数あったが、二ヶ所だけ引用。
障害者について、世間全般がもっと自分のこととして切実に感じてくれないと変わるのは難しいでしょう。障害者に自分はならないだろうって、そう思っている限り、障害者が抱えている問題は自分のこととしては感じられない。せめて想像くらいはして欲しいのです。
セックスは両脚の間(下半身)にあるものだが、セクシュアリティは両耳の間(大脳)にあるものだ。
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4 件のコメント:

  1. こんにちは。初めて書かせていただきます。

    障害者の性については以前の禁忌のようにされていた時代に比べると、少しは認知されてきているようですね。

    身体・精神の障害者の方の多くは健常者と同様の性欲を持っていることを知って衝撃を受けたものです。

    性の問題として、自分個人的には広義的に高齢者までも障害者と近い(異性に対応してもらえるかどうかの問題を除いては)問題を抱えているように感じていますので、

    身体機能が衰えても性的欲望が衰えないならば障害者の性も人事とはおもえないのでは、と思っています。

    悲しいことに自分は年齢なりに、すでに気持ちに身体が追いつかなくなっています。。。

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    1. >たわしさん
      高齢者の性も、日本ではなかなか取り上げられないですね。ある年齢を越えると性欲なんてなくなるものだと、俺もちょっと前まで思っていました。でも体は反応しなくても、やっぱり異性の身体を見たり触ったりそれ以上のことをしたりしたいというのは、ずっと持っている感覚なんでしょうね。と、考えると、じゃうちの祖父母もそうなのだろうか、など思い始めて、うーん、そうなのかなぁとなっちゃうんですよね。人によるんでしょうかね。

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  2. ししとう432013年1月23日 4:08

    関連本として「私は障害者向けのデリヘル嬢」大森みゆき/著 というのがあります。
    個人的には「セックスボランティア」よりも印象に残ってます。
    「セックスボランティア」は、題名がセンセーショナルな分、かえって損をしてるのではと思いました。

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    1. >ししとう43さん
      確かに本書はタイトルが衝撃的で、手に取る段階でためらう人もいそうだし、なんだ期待ハズレ、と思われる危険もありそうです。大森さんの本はチェックしてみます!!

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