主人公はワディという町に住む少年ジェベル(具体的には書いていないが15歳くらいかな?)。彼の父は死刑執行人で、毎日のように斧で罪人の首を切り落としている。とはいえ、罪はほとんどが微罪。ワディには刑務所がなく、奴隷が主人に逆らったというだけで死刑になってしまうし、みんなそれが当然だと思っているのだ。
ワディでは死刑執行人は町長の次に崇拝される名誉ある職業で、そして彼の父はカリスマ的な人気を誇っている。その一方で、教師や商人といった職業は見下されている。またワディでは、奴隷には人格も尊厳もないと考えられている。そんな環境で育ったジェベルは、環境にきちんと適応した(つまり現代の感覚からすればゲスな)考えを持つ少年である。
ワディでは死刑執行人は町長の次に崇拝される名誉ある職業で、そして彼の父はカリスマ的な人気を誇っている。その一方で、教師や商人といった職業は見下されている。またワディでは、奴隷には人格も尊厳もないと考えられている。そんな環境で育ったジェベルは、環境にきちんと適応した(つまり現代の感覚からすればゲスな)考えを持つ少年である。
そんな彼が、どのような冒険をして、どういう人間になっていくのか。あくまでも児童書なので大雑把な結論は見えているのだけれど、それでも飽きさせないのはさすがダレン・シャン。
『ダレン・シャン』で一躍有名になったダレン・シャンは、9・11テロからインスパイアされて本書を書いたそうだ……、って、あれ? 本書に出てくる悪者に、ブッシュとブレアという二人組がいるんだけれど、つまりそういうこと……!?
宗教、国家、民族、死刑制度、男女など、多くの要素をちりばめて考えさせられるような本だったが、自分の子どもに読ませたいかと言われると……、ちょっと残酷な描写が多すぎてダメ。大人が子ども心に返ったつもりで読むのが吉。
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