2016年3月8日

ギラギラとした殺気を身にまとった偉丈夫として描かれる水戸黄門 『光圀伝』


祖父の影響で、幼少時の月曜8時といえば『水戸黄門』だった。まだストーリーが分からない頃には、単にチャンバラが格好良くて、袴や二本差し、そしてチョンマゲに憧れたものである。今や天然チョンマゲになりつつあるというのに……。

ある程度ストーリーが分かるようになると、今度は勧善懲悪にスカッとするようになった。『水戸黄門』は小学校の高学年まで観ていたが、その頃は『必殺仕事人』がローカルで再放送されていて、黄門様やスケさん、カクさんのような穏やか懲らしめより、ハードな仕置きをするダーク・ヒーローたちに心酔するようになっていった。

冲方丁は「うぶかたとう」と読む。少し前、妻に対する暴力で話題になっていた。当時はどんな小説を書く人か知らなかったが、たまたま目についた本書を読んでみて痺れてしまった。冒頭からグイグイ引っ張られ、気がつけば読了という素晴らしい読書体験だった。テレビで知っている『水戸黄門』とは違って、ギラギラとした殺気を身にまとった偉丈夫として描かれる光圀に、戸惑うどころか、むしろ非常に強く魅力を感じた。

テレビの水戸黄門と必殺仕事人を足して二で割ったような、優しさと険しさを兼ね備えた黄門様に出会える一冊。

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