人と人との切ない出会いと別れを描かせたらピカイチな梶尾真治による、タイムマシンをテーマにした連作短編集。「クロノス・ジョウンター」とは、そのタイムマシンの名前である。
それぞれの短編が緩やかにつながっていて、きちんと伏線が回収された結末があり、ここで何を書いてもネタバレになってしまいそうだ。
これまで読んだ梶尾作品で、一冊たりとも「イマイチ」というのがなかったのが凄い。特に「出会いと別れ」の描写については名人で、毎度のように感動させられる。本書を読んだせいで、タイムマシンに乗って数年前に他界した祖父に会いに行きたくなってしまった。どうしても伝えたい一言を持って。
「クロノス・ジョウンター」の短編を収めた本は他にも数冊あるようだが、すべての短編をきちんとまとめたものが本書ということで、買うなり借りるなりする人は要注意。
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