2017年4月15日

「安倍内閣を支持しますか?」 政治的なアンケートでは、起案者がニュートラルなことは少なく、それぞれ立場や意図、引き出したい結果がある

ネットで、
「安倍内閣を支持しますか?」
というアンケートがあり、選択肢は、

支持する
支持しない
分からない
政治に興味がない

の四つだった。

一般にアンケートは、質問のしかたや選択肢提示の順番も結果に影響を与える。また、ネットでのアンケートなら、回答者は起案者のプロフィール、政治的な立ち位置、直近の発言からも少なからず何らかの影響を受ける(「起案者は「支持しない」優勢を期待してそうだから、逆張りしてやる」のように)。

このアンケートは集計をリアルタイムで見ることができた。ちなみに、起案者は安倍内閣を支持していない。起案当初は同じ立ち位置側にいる人たちによって「支持しない」が圧倒的に優勢だった。しかし、アンケートの存在が広く認知され出すと、今度は起案者の立場に対する反作用のような形で「支持する」が急伸した。結果そのものより、この流れの観察が興味深かった。

アンケートの質問や選択肢、結果の解釈について、少し書き加えておく。例えば質問を、

安倍内閣を支持できますか?

こういう聞き方に変える。これだけでも結果に少し影響が出るはずだ。また、選択肢を、

全面的に支持できる
全面的には支持できない
まったく支持できない

にしてみる。こういうの「無作為に抽出して電話しました」というテレビアンケートでもやりそうでしょ?

さて、例えばこの結果を上から40%、20%、40%としてみよう。すると、テレビの結果発表はこうなる。

『「全面的には支持できない」「まったく支持できない」が「全面的に支持できる」を20ポイントも上回りました』
と、あたかも不支持が多い印象だ。

しかし、真ん中の選択肢は「一部は支持できる」と言い換えることができる。そういう選択肢に変えた場合、
『「全面的に支持できる」「一部は支持できる」が「まったく支持できない」を20ポイントも上回りました』
さっきと結果の印象が真逆になる。また、「全面的に」や「まったく」を付けたり外したりするのも、結果に影響するだろう。

マスコミのアンケートは、結果そのものより質問内容と選択肢を吟味するほうが、「起案者はどんなん結果を引き出したかったのか」が透けて見えて面白いと思う。

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