2018年2月26日

双極Ⅱ型障害のオーバートリアージが増えるほうが、人格障害の誤ったレッテル貼りよりはマシ 『双極II型障害という病』


双極Ⅱ型障害とは、いわゆる「躁うつ病」の亜型である。うつ状態と、躁状態にまでは至らない「軽躁状態」を繰り返す。

何かの勉強会で、双極Ⅱ型障害の病像が取り上げられ、「人格障害の人にも当てはまる部分があるだろうし、オーバートリアージが増えそうだ」といった危惧が挙がっていた。オーバートリアージとは、「重症判断の基準を甘くする」、つまり実際より重症であると予想して対応・治療することを言う。この懸念に対して、「オーバートリアージが増えるほうが、見逃されたり、誤って人格障害というレッテルを貼られたりするよりは良い」という意見があり、全体としてはそれに賛同する雰囲気であった。本題から少し逸れるが、このやり取りで、「人格障害」という言葉や概念の持つ「負のエネルギー」を感じてしまった。

双極Ⅱ型障害をより多く拾いあげるべきか、そうでないか。どちらの立場をとるにせよ、この本は非常に参考になると思う。通読できる精神科の本。

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントへの返信を一時中止しています。
一部エントリでコメント欄に素晴らしいご意見をいただいており、閲覧者の参考にもなると思われるため、コメント欄そのものは残しております。
また、いただいたコメントはすべて読んでおります。