2013年10月30日

モーラスと光線過敏症

モーラスはわりと頻繁に処方されている貼付薬であるが、「貼っている場所は日光に当てないように」という注意を受けていない人が多い。添付文書では以下のように書いてある。
光線過敏症を発現することがあるので、使用中は天候にかかわらず、戸外の活動を避けるとともに、日常の外出時も、本剤貼付部を衣服、サポーター等で遮光すること。なお、白い生地や薄手の服は紫外線を透過させるおそれがあるので、紫外線を透過させにくい色物の衣服などを着用すること。また、使用後数日から数カ月を経過して発現することもあるので、使用後も当分の間、同様に注意すること。異常が認められた場合には直ちに本剤の使用を中止し、患部を遮光し、適切な処置を行うこと。
また、副作用の欄には、
光線過敏症(頻度不明)
本剤の貼付部を紫外線に曝露することにより、強い痒を伴う紅斑、発疹、刺激感、腫脹、浮腫、水疱・びらん等の重度の皮膚炎症状や色素沈着、色素脱失が発現し、さらに全身に皮膚炎症状が拡大し重篤化することがあるので、異常が認められた場合には直ちに使用を中止し、患部を遮光し、適切な処置を行うこと。なお、使用後数日から数カ月を経過してから発現することもある。
という記載がある。頻度不明ながら、そこそこ怖い副作用であり、俺は初めて処方する人には説明するようにしている。きっとこのブログを読んで、「え!? そうなの!?」と驚いている人も多いのではないだろうか。

ある患者は、モーラスを肩に貼って屋外で遊んだら、貼った場所が四角形に日焼けしていた。体に何かを貼って日にあたれば、普通はその部分だけ「日焼けしない」ものだ。どういう機序か分からないが、実際にこういうことがあるということは知っておいた方が良いし、処方する医師も知らせるように努めるべきだろう。

2 件のコメント:

  1. はじめてコメントさせていただきます。フジイと申します。
    看護書をつくっております関係もあり、興味深く拝読しました。
    何らかのかたちで、この情報を誌面に活かせればと考えています。
    ありがとうございます。

    実はいま、精神看護に関する企画を考えているところでして、
    差し支えなければ、いちは先生にご相談したいと思いました。
    所属URLとアドレスを貼付いたしますので、もし、お気が向いたら、
    ご一報いただけたら、嬉しく思います。

    ブログなどに慣れておらず、不調法なことをして済みません。
    無理のない範囲で、ご検討いただけますと幸いです。

    http://www.shorinsha.co.jp/
    fay*shorinsha.co.jp(*→@としてください)

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    1. >匿名2013年11月12日 10:36さん
      よろしくお願いします。

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