とんでもなく面白いというわけでもないのに、なぜか心のどこかに引っかかって留まり続けるような内容の本。
多くの日本人にとっては非常に縁遠いであろうアフリカ。そこに長年滞在したジャーナリストが、アフリカのいくつかの国の現状や歴史、自らの体験、調べたことや感じたことなどを綴ってある。
表題作『絵はがきにされた少年』では、裸でクリケットをやっていた少年が、村にやって来たイギリス人に写真を撮られる。当時の少年は写真というものを知らず、成人してから自分の写真が外国で絵はがきになっていたことを知って驚く。彼はそのことについてどんなことを想い、感じ、どんな行動をとったのか。決して派手ではないが、多くの人の予想を裏切るんじゃないだろうか。
他にも
『ハゲワシと少女』というピュリツァー賞をとった写真の裏話(実はみんなが考えているような写真ではなく……というもの)と、その写真を撮ったカメラマンが自殺したことに関する真相など、短いエッセイはいずれも興味深かった。アフリカにはあまり興味がなかったけれど、なんだか少しだけ心が惹かれるようになってしまった。
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