2015年12月21日

サラッと読んで、どこかで活きる 『野村の流儀 人生の教えとなる257の言葉』


野村克也は監督時代、試合をやっている間に終了後のインタビューでどんなことを話すかコピーライターのように考えていたというから感心する。彼の発言がマスコミに取り上げられるためには、どういう風に言えば良いかと作戦を練るのだ。そこにはもちろん選手の名前が出てくる。田中将大を評した「マー君、神の子、不思議な子」はまさにキャッチーで、あまりプロ野球に興味のない俺でも覚えているくらいである。そうやってテレビや新聞で自分の名前が出た選手はモチベーションが上がる。野村克也にとっては、試合後のインタビューすら、チーム指揮の一環なのだ。

普段はプロ野球も高校野球も見ないが、ピッチャーとバッターの駆け引き、サヨナラのかかった打席での選手心理、プロ選手の心構えや監督のチーム運営といったものには興味があって、時々データに見入ったり、野球がらみの本を読んだりする。それらは実は精神科での臨床や治療の考え方にもけっこう役立つ。

プロ野球の歴代監督の中でも野村克也には以前から関心があった。試合後のインタビューでの言葉選びが面白かったし、あちこちで見聞する監督の名言も良かったからだ。ただし、本書の著者は野村克也となってはいるが、実際には彼の言葉を集めたものである。

たまにはこういう本をサラッと読むのも良いものだ。

2 件のコメント:

  1. 母親の呆け防止に本人が望む「『累犯障害者』ほど難しくない本」を図書館で探すのに苦労してますが、ノムさんの本も良いかもですね。
    今まで、プロ野球関係者の本は、「どうせ本人でなくゴーストが書いたのやし」と避けてきましたが、考えてみれば、私が読むわけでないから、それもありかと。
    次に図書館に行った時に、ノムさん関係でも探してみます。

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    1. >瞬生田さん
      ノムさんの本は、この他にも読んで、また積読にも入っています。
      面白いエピソードと含蓄が豊富で良いですよ。ノムさんは、現役引退してから執筆活動も精力的にしていたようなので、恐らくゴーストではなさそうです。この本はゴーストというより、名語録という感じでしたが。

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