架空の患者夫婦と、精神科医なだいなだのやり取りという形式で書かれている。アルコール依存症(本書では主に「アルコール中毒」という言葉が用いられている)についての著者の考えだけでなく、酒や依存症の歴史についても考察してあった。分量の少ない新書なので、そう深く突っ込んであるわけではない。簡潔にサラッと学べるのは短所もはらむが大いなる長所である。
次年度からアルコール依存症との関わりが増えそうなので、アルコール関連の本を探すうちに本書を見つけた。なだいなだの本は、まだ経済学部生で、医師になるなんてこれっぽっちも思っていなかった時期に何冊か読んだ。あまりピンとこないというか、パッとしない印象だった。あれから22年がたって、精神科医の大先輩であり、日本のアルコール依存症治療における先駆者として、著書から学ぶことが多いのに驚いた。
本との出会いは、人との出会いと同じく、タイミングや縁というものが大きく関係するのだろう。
1998年の本
返信削除でも、古くないってっことは、治療は飲まないってことしかないってことだ、、。あらゆる方法を使ってですね。
その方法は、進化したのだろうか?
昔と今の違いってどうなんだろう。
私も、なだいなだは好きな作家の一人です。
返信削除ところで、私の家族や友人に潔癖症の女性が何人かいるのですが、彼女らにかける言葉というか、どのように接してあげればいいのか書かれてある良い本はありますでしょうか?いちは先生のブログでは、アルコール依存関係の本の紹介は多いのですが、強迫関係はあまり見かけないので・・・
PS 強迫も一種の依存かなあ?
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