統合失調症の治療薬に、ジプレキサ・ザイディスというのがある。この薬の食感(?)を試すため、製薬会社から配られたプラセボ薬(薬効成分が入っていない)を飲んでみた。口に入れるとラムネのような味がすると同時にシュッと溶ける。お菓子と言われても信じるほどだ。
これを何個かもらって、病棟スタッフに試してもらうことにした。しかし、看護師らは逃げ腰および腰で、なかなか飲もうとしない。「薬の成分は入っていない」と繰り返し説明しても、
「怖い」
「気持ち悪い」
「○○さん、お先にどうぞ」
と言って手に取ろうとしない。
入院している患者の中には、薬を飲みたがらない人が多い。そういう人たちに、看護師はあの手この手で説得し、薬を飲むように勧める。患者が、
「その薬には毒が入っている」
と拒絶すれば、
「あなたの体に必要なものが入っているんですよ」
というようなことを言って、とにかく内服するよう言葉を尽くす。
プラセボ薬を飲むことでさえ、スタッフは不安や怖さ、気持ち悪さを感じたのだから、まして成分の入っている薬を飲むことになる患者の心中は穏やかなものではなかろう。そんな気持ちに少しでも気づいてもらえたら良いな、と感じた。
患者の身としては薬を飲む=精神を病んでいるんだと自覚させられて落ち込みます。もちろん精神に作用する薬なんて恐ろしくてたまりません。先生や看護師が患者の恐怖心を理解していると思うと治療にも積極的に取り組めそうでいいですね。
返信削除>匿名2012年8月22日 21:37さん
削除『薬を飲む=精神を病んでいるんだと自覚させられて落ち込み』
これは確かにそうなんですよね。だから、なるべく一日一回の内服で済む方が良いし、できれば、貼り薬とか、あるいは月に一回だけで良い注射とか、そういう薬のほうが良いかなと思います。
20年くらい前、大学の保健管理センターの精神科を受診してうつ病と診断され、
返信削除最初に出された薬がアナフラニールとデパスだったのですが
(約20年前の処方なのと、肩凝りが酷かったのでデパスが入っていたわけですが)、
薬を渡すときに保健師さんが、アナフラニールの10mg錠を
「三角形で可愛いでしょw」と言ってくれて、
少しでもこちらのショックを減らそうとしている心遣いが感じられて
ちょっと嬉しかったのを今でも覚えています。
>匿名2013年9月3日 20:27さん
削除「三角形で可愛いでしょw」
良いですね、これ。
アナフラニールに限らず、初めて抗うつ薬を処方する時には、同時に安定剤も出した方が良いという本もあるし、そう言う先生もいますので、デパス処方も納得なところです。
小さな心遣いが、大きな安心感を生む、という好事例ですね。