文系のメンタルヘルス専門職向けに書かれた脳科学の本である(著者あとがきより)。
「臨床」と銘打ってあるだけあって、うつ病や躁うつ病、統合失調症、認知症、パーキンソン病、発達障害、てんかん、性同一性障害、摂食障害、PTSDと多岐にわたる疾患を題材にして、いま分かっている脳機能について説明してある。というよりむしろ、「ここまでは分かっているけれど……」といった具合に「分かっていないこと」を明確にするほうがメインと言えるかもしれない。
科学的にとても真摯な本であり、つまりは非常に地味である。地味ながらも興味深くは読めるが、やはり脳について一定の知識や興味がないとチンプンカンプンだろう。本当の素人が面白く読めるタイプの本ではない。
たくさん売れることを見込んでいないせいか、文字数に比べて値段はけっこう高い……。
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