2011年12月4日

宇宙人襲来!!

宇宙人の最初の襲来から数週間が過ぎた。
各国がそれぞれに反撃し、今のところなんとか征服は免れているが、それも時間の問題だ。聞くところによると、アフリカの一部地域は完全に宇宙人の支配下に入ったらしい。それどころか、ある部族では宇宙人を神の降臨として快く迎え入れているとか。その情報がどこまで正しいのか不明だが、宇宙人が攻めてきたことだけは確かだ。ニュースで流れる宇宙船と戦闘機の攻防を見ながら、私たち家族はシェルターで朝食を食べていた。

突然、テレビの画面が変わった。臨時ニュースのようだ。そういえば今日は、ほぼ全世界の国々が加盟した『地球防衛連合』の第一回会議の日だった。私はコーヒーを飲みながら、ニュースに見入った。若い男がマイクを握って話している。

「地球防衛連合の第一回会議は混乱のうちに幕を閉じました。事の発端は、アメリカ代表の『地防連のリーダーシップはアメリカがとる』という発言です。これに対してロシアが、ソ連時代の核兵器を隠していたことを公表し、全ての核兵器を合計するとアメリカよりも軍事力は勝ると発言しました。混乱した会議場の中、与和木日本代表はアメリカに従うことを表明し、改めて日米の関係をアピールしました。また、北朝鮮代表が『我が国では、すでに核兵器を超える兵器を開発した』と大々的に発表しましたが、どの国からもあまり相手にはされていませんでした。結局、会議場に突然闖入してきた男の抱えた爆弾によって、代表者のほとんどが死亡し、生き延びた人たちも重体となっています」

そこで画面がスタジオに戻った。マヌケ面のキャスターが深刻な顔をして言った。

「一刻も早く、新たな防衛構想を創り上げて欲しいものですね」

地球負けたなぁ。自衛隊で働く友人のことを思い出しながら、私はパンの最後の一切れをゴミ箱に捨てた。

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