2012年1月5日

物ごとを同時進行させるということ

目の前を走る車が妙にフラフラしていると思ったら、運転手が携帯電話を耳に当てていた。そういう経験は、多くの人がしているんじゃないだろうか。そんな車を目にするたびに、俺は、
「この人は、仕事もプライベートも、要領が悪いと言われているだろうな」
と冷やかに、若干の軽蔑をこめて思う。

たいていの人が、日常生活では、物ごとをいくつも同時に進行させながら生活している。テレビを観ながら電話したり、その間にも何か飲み食いしたり、といったように。こういう、なんとなく自然にやっているような行為でも、実際には優先順位がしっかりある。電話中のテレビは目で追っているだけか、あるいは電話が疎かになっているか、食べものにしても味わっているとは言い難いかもしれない。いやいや、テレビも電話も内容をしっかり把握できているし、食べものも味わっているよ、と思う人もたくさんいるだろうが、それはその瞬間ごとに集中するチャンネルを切り替えているからだ。

仕事の場で、いくつもの案件をそつなく同時に進行させる人はもの凄く優秀に見えるが、実際にはすべてに全力集中しているわけではなく、集中するポイントの切り替えが上手いのだと思う。この切り替えが下手な人は、いま大事ではないことにいつまでもこだわったり、一つのことが終わらないと次に進めなかったり、そういう「要領の悪い人」と評価される。

最初の運転の話に戻ると、最優先は運転のはずだ。ところが無意識の優先順位づけが下手な人は、ついつい電話に集中してしまい、運転が雑になり、しかも本人がそのことにまったく無自覚という最悪の状況になる。本当にどうしようもなく要領が悪いが、自分では気づいていない、という救いのなさだ。

集中するポイントの適切な切り替えを意識するだけで、仕事もプライベートもいろいろとうまくいくことが多い、はずだ。

4 件のコメント:

  1. これもいる!!自転車でもいる!!
    歩きながらでも、危険性は少なくても大っぴらなのは
    お行儀が悪い。子供がそれを真似します。日本の行きつく先は・・・

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  2. いちはさん、はじめまして!

    この頃、チャンネルの切り替えがスムーズにできなく、苦労するときがあります。とくにPC操作で写真のエフェクトやHP制作など美術的なことから、統計や経理など数学系の操作に移行をしなければならないとき、抵抗を感じるときがあります。統計・経理操作もしなければならないのに切り替えられず、ずるずると写真エフェクトを惰性でやり続けているときがあります。

    これも年のせいなのでしょうか?

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  3. >ゆめさん
    不愉快くらいで済めばいいけれど、命が関わってきますもんねぇ。
    運転だけは、最優先で集中して欲しいものです。

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  4. >海境 惺さん
    いやいや、それだけのことをされているんだったら凄いですよ。
    あるものから次に移る時には、ちょっと遊びが必要なんだと思いますよ。
    アクセル放してすぐブレーキって人は、運転が下手なように。

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