2012年1月8日

精神科患者の暴力は本気だから怖い

錯乱状態にある人が暴れる時、彼らは手加減をしない。たとえば統合失調症の人なら正体不明の敵から自分や家族や世界を守るため、意識混濁している人なら自分を抑え込もうとする人から身を守ろうとして、とにかく本気で抵抗し、全力で暴れる。

人間の力は、本気を出すと非常に強い。ちょっと体格の良い女性が本気で暴れると、男性数人がかりでも抑え込むのに苦労する。取り押さえた後、ふと見ると自分の手を怪我している。周りのスタッフも傷だらけだ。

急に殴りかかられたり、蹴られたりした先生や看護師もいる。もちろん、全ての患者さんが危険人物というわけではないし、むしろ暴力を行使する人というのは患者さんの中でも少数派だ。しかし、暴力的な場面に遭遇する確率は、一般社会生活よりも精神科病棟のほうが高いのではないだろうか。

これまで当院の精神科スタッフの給与には危険手当てがついていたそうだが、少し前に廃止されてしまったらしい。理由は不明だが、できれば復活させてほしい。

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