2012年1月8日

続・うつで病院に行くと殺される!?

平成23年9月発売の雑誌『SAPIO』に、
『うつで病院に行くと殺される!?』
という特集が組まれていることは、先日の日記にも書いたとおり。この記事のタイトルはショッキングだが、最後に「!?」をつけるあたり、結局はあまり断定する自信のない、ただの煽りにすぎないのだ。

去年もこんなネットニュースがあった。
うつ病自殺7割が精神科を受診 「抗うつ薬」安易な服用に懸念
うつ病で自殺した人の7割が精神科を受診しており、その多くは「抗うつ薬」を服用していた。
これ自体は、まったく中身のない文章だと思う。なぜなら、
「癌で死亡した人の7割が内科を受診しており、その多くは抗がん剤を服用していた」
というのと大して変わりがないからだ。

うつ病で病院を受診するかどうか、抗うつ薬を飲むかどうかは、こういうネガティブキャンペーンを受けた患者と家族が判断すれば良いので、こちらとしては、とりあえず受診したほうが良いとは思いますよ、程度でとどめておく。とはいえ、一応書いておくが、真にうつで悩んでいる人は、
「精神科でも抗うつ薬でもなんでも良いから、この苦しみから救ってくれ」
と思うようである。ネガキャンで思いとどまれるくらいのエネルギーがあるうちは、元気がないとはいっても、もしかしたらまだ大丈夫なのかもしれない。ただ、家族が患者の受診を引きとどめて、その結果、患者が自殺しても、SAPIOを発刊している小学館はなんの責任もとってくれないことは断言できる。

なんにせよ、判断は自己責任で。

余談ではあるが、
「大量処方で患者を薬漬けにして医者が儲かろうとしている」
ということを思っている人がいまだにいることに驚く。医師は、薬一錠処方すれば○円の出来高制ではない。なにをどう解釈して、そういう考えに至ったのかが分からない。病院にかかって薬が増えても、病院への支払いは同じだ。支払いが増えるのは薬局に対してである。

<関連>
うつで病院に行くと殺される!?

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