2016年4月7日

ハーバード大学教授であり一流ライターでもあるグループマン先生の本を、あの近藤誠が監訳した、いわくつき(?)の一冊 『セカンド・オピニオン 患者よ、一人の医者で安心するな!』


ハーバード大学の医学部教授であり、『ニューヨーカー』紙のスタッフ・ライターでもあるジェローム・グループマン。彼の本はいずれも面白いうえに、素晴らしく示唆に富んでいる。

本書も例に漏れず面白いだろうと期待して買ったのだが、よく見ると監訳者があの有名な医師・近藤誠である。彼の悪評はあちらこちらで見聞きするが、実際に彼の本を読んだことはないし、テレビで見たこともないし、今後も本を読む予定がないので、評価のしようはない。

ただ、自著がいかにトンデモであっても、さすがに翻訳をねじ曲げることはしないだろう。そして翻訳という点で見れば、充分以上に読みやすい日本語になっており高評価である。とはいえ、翻訳そのものは平岡諦医師が行なっているようで、近藤氏の監訳がどこまで及んでいるのかは不明である。

ところで本書の内容であるが、やはり素晴らしかった。アメリカのいろいろな医療問題にも触れてある。それを読んでつくづく思うが、日本の医療制度は、少なくとも患者サイドにとってはアメリカより断然良い。医師にとっても、アメリカより日本のほうが、「自分なりに思い描く医療をやる」という点でば働きやすいんじゃないだろうか。

ちなみに、副題の「患者よ、一人の医者で安心するな!」は、邦訳版で独自につけられたものである。邦訳では、タイトルを変えたり、こういう目をひく副題をつけたりするが、どうにも好きになれない。

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