かつて『栄光なき天才たち』というマンガがあった。素晴らしい才能に恵まれたり驚嘆するような努力を積み重ねたりしたにも関わらず、ほんの一歩のところで栄冠をつかみ損ねた人たちをドラマチックに描いてあり、すごく好きな作品だった。
本書に登場する5人は「栄光なき」ではなく、一度は栄光を勝ち取った後、スランプなどを原因に「歓声から遠く離れた」、というより「歓声が遠のいていった」人たちである。ものすごく面白くて、あっという間に読み終えてしまった。
このライターの取り上げる題材や文章一つ一つはすごく良いのだが、構成の仕方にほんの少しだけ難がある。読者の目をひくためなのか、あるいは別の目的からなのか、急にポンと話題を切り替えるような一文をちょいちょい挿入してくる。一章で一つくらいなら良いのだが、あまりに多いと読み手は振り回されて疲れてしまう。
内容は星5つだが、そういう欠点で1つ減点。
本書に登場する5人は「栄光なき」ではなく、一度は栄光を勝ち取った後、スランプなどを原因に「歓声から遠く離れた」、というより「歓声が遠のいていった」人たちである。ものすごく面白くて、あっという間に読み終えてしまった。
このライターの取り上げる題材や文章一つ一つはすごく良いのだが、構成の仕方にほんの少しだけ難がある。読者の目をひくためなのか、あるいは別の目的からなのか、急にポンと話題を切り替えるような一文をちょいちょい挿入してくる。一章で一つくらいなら良いのだが、あまりに多いと読み手は振り回されて疲れてしまう。
内容は星5つだが、そういう欠点で1つ減点。
ご紹介にあずかりまして、Amazonマーケットプレイスで購入して読みました。
返信削除感想は、冒頭の女子マラソンランナーの話が、頭にこびりついてます。
体格に劣る日本人が外国人に勝つために、猛練習。
あげくに、松野明美さん(身長148センチ)は選手活動中、生理がなかったというのは、引っかかります。
いくら、本人も解ってたとは言え、あれって、ドーピングに近いものがあると思う。
元々、健康のためのスポーツが、逆転現象を起こしてると思う。
古くは、1964年の東京オリンピックの「東洋の魔女」こと、女子バレーボールチームの練習風景が、たまにモノクロ画面で放送されるけど、あれって、虐待ですよ。
金メダルを取れたからイイというモノではない。
日本のスポーツはまだまだ精神論が強過ぎると思う。
話をマラソンに戻すと、日本で行われた女子マラソンレースで、旧東ドイツの選手がレース途中で生理が始まった。
それでも走りきって優勝。
テレビは、下半身を映さない心遣いをしたが、フォーカスはモノクロページで報道、フライデーはカラーページ。
民度を問われます。
ある日本人選手は、「私なら棄権していた」とのこと。
私は、若い頃、草アメフトをやってました。
たいへんにメンタルコンディションを重んじるスポーツで、良いプレイをしてベンチに帰れば、スキンシップもありました。
「疲れたらミスをする」という基本理念が徹底されていて、中学1年の時、準備体操の腹筋運動でバテて、木の枝でOBにどつかれて、辞めてしまったバスケットと凄い違いで、感動しました。
2020年、本当に東京でオリンピックをやるのなら、その点も考えて欲しいと思います。
>生田瞬さん
返信削除マラソン選手の骨は骨粗鬆症みたいになっている、と聞いたことがあります。走りすぎた影響とも言えるし、なるべく体を軽くするように適応したとも言えるのかもしれません。そんな中、高橋尚子はやたら健康だったとか。
健康のためのスポーツと、闘争の代替としての競技は、もはや別物になっているのでしょうね。
そう言えば、1964年(昭和39年)の東京オリンピックのマラソンで、競技場に入ってから抜かれて、惜しくも銅メダルに終わった、円谷幸吉さんの悲劇(自死)を、「長距離ランナーの遺書」(文春文庫「敗れざる者たち」所収)というタイトルで、私の好きな沢木耕太郎さんが作品化してますね。
削除あれなんて、日本に今も蔓延るスポーツ界の精神論を見事に表わしてます。
それにしても、松野明美さんや増田明美さんの、年齢以上の老け方は、お二人には失礼ですが、この競技の残酷さを示してます。
そもそも、マラソン競技の由来が、マラトンの戦いの勝利の報を知らせに走った伝令兵が、アテネに着くなり「我勝てり」と言って息絶えたということからして、観る気もやる気もなくします。
その故事の悪い点ばかりが、日本独特の精神論が加わってる気がします。
先生と同業の精神科医も、「マラソン選手の老け方を見よ」と言って、戒めてました
。
>生田瞬さん
削除沢木耕太郎、俺も好きです。『敗れざる者たち』も過去に読んでいるはずなのですが、その話は覚えていませんでした。
マラソンは(駅伝も)個人的には見ていてまったく面白くないので、あれでテレビを独占されると辛いものがあります。自分で走るのも嫌いでしたが、最近はちょっとの距離をジョギングする楽しさは分かりました。
マラソン参加は……、一生縁がないかなぁ……。