2016年6月20日

アッと驚くドンデン返しの連続はいつも通りだが、全体としてはいまいちパンチ力に欠けていた 『ソウル・コレクター』


ジェフリー・ディーバーによるリンカーン・ライム・シリーズの8作目。

ライムは仕事中の事故で頚椎を損傷して四肢麻痺になった犯罪科学者で、知識と知能は天才的である。そんな彼が、ひたすら頭だけを駆使して活躍するミステリで、ちょっとしたアクションシーンは恋人のアメリア・サックスという女性刑事が担当するのが定番。

毎回の作品で社会問題を取り上げ、ストーリーに巧みに織り交ぜる著者の手腕は今回も発揮されている。本作ではアメリカでの個人情報の取り扱いがメインテーマになっている。あらゆる商品などに電子チップが入っていて、個人の行動がかなり監視・予測されている。読みながらSFかと思うほどだが、決して絵空事ではない。それどころか、執筆当時に比べれば現在のアメリカはもっと先を行っているんじゃないだろうか。参考文献として挙げられていた『プロファイリング・ビジネス 米国「諜報産業」の最強戦略』も読んでみたが、これもかなり面白かった。ただ、ここまで進んだ監視・予測のシステムがあっても、先日のフロリダ銃乱射のような事件は防げないのか……、だったら監視の意味って何だろう……、という気持ちにもなった。もしかすると、未然に防げているテロや事件があるのかもしれないけれどね。

ディーバーの本書はアッと驚くドンデン返しの連続はいつも通りだが、全体としてはいまいちパンチ力に欠けていた。Amazonレビューもやや低調。

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