ウィル・スミスの映画は、つまらなかったがヒットした。確かに、映画の前半から中盤まではすごく良かった。ただ、後半がダメ。映画評論家の町山智浩によると、当初の完成版は会社から許可がおりず、途中から撮り直しになったそうだ。もしかすると、その第一版のほうが名作として残る映画だったのかもしれない。そういえば、レンタルで観ると、別エンディングのバージョンも入っていた。まったく異なる結末であったが、たとえその別バージョンであったとしても最終評価は大して変わらない。それくらい、後半の流れは残念だった。
原作はどうかというと、名作と呼ばれるのも納得の内容。これまで3回も映画化されたというのも頷けるし、いずれまた映画化されるのではなかろうか。原作の刊行は1954年とずいぶん古いが、その古さを感じさせない作家リチャード・マシスンは凄い。
そういえば、小野不由美の
『屍鬼』に登場する主人公の一人に医師がいて、彼が医学の知識をつかって吸血鬼の生態を解明しようとする。その行動がマシスンの描く主人公とかなり似ている。『屍鬼』のほうが分量も多いし描写も緻密になってはいるけれど、小野不由美はマシスンからの影響をかなり受けたのだと思う。
終末世界ものが好きな人や、吸血鬼もののファンにはお勧め。
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