『職員への暴力が発生した場合の対応マニュアル』
- スタッフが暴力を受けたと報告があったら、医師はなにをおいてもすぐに駆けつける。
- 事態が鎮静化していたら、受傷者と個人面談。その際、聞き取りは場所を移す。決して慌ててその場で行なわない。
- 面談は、受傷者を診察室に呼び出すのではなく、医師が迎えに行く。
- 受傷時の状況を聴く前に、まず必ず診察。ケガの有無、重症度の確認、必要があれば検査オーダー。身体診察が終わるまでは、「受傷したスタッフ」ではなく「受傷者」であると強く意識する。
- 「大丈夫ですか」の一言が受傷者を慰撫する。
- 受傷者は多くの場合「自分が悪い」と考えがちである。このため、「いかなる場合も暴力は許されず、暴力を受けたことは決してあなたの落ち度ではない」ということを繰り返し伝える。
- 以下を説明し、受傷者を帰宅させる。診察・検査費用は労災、個人負担なし。年休ではなく病休となる。諸手続きは後日で構わない。(これは職場によっては、そうもいかないかもしれない)
- 受傷者“以外”のスタッフへのディエスカレーション(昂ぶった気分や感情へのケア)を行なう。これは案外に忘れがち。暴力事故があった場合、受傷者以外のスタッフも動揺・狂騒状態にある。直近の休憩時間や帰宅前に、スタッフとまとまった時間を共有する。
- 受傷者“以外”のスタッフへのディエスカレーションでは、「怖い」「許せない」など感情が吐露されることが多い。これらはすべて、評価・裁定せず、傾聴に努める。「薬が足りないのでは?」「隔離が必要では?」といった疑問や意見に対しては、その場で議論しない。
- もっとも忘れがちなのが、チームリーダーである自分自身のディエスカレーション。方法は各自で模索。
繰り返しになるが、マニュアルは「マニュアル通りにやれば良いもの」ではなく、「マニュアル以外のことに気持ちやこころをまわす余裕をつくるためのもの」である。
マニュアルがあるからこそ、臨機応変が可能になるのだ。
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