2015年10月8日

ラミクタールの処方開始時に気をつけていること

ラミクタール(てんかん、躁うつ病の薬)の処方時には、患者や家族に対して副作用で重篤な皮疹が出るかもしれないことを説明する。それと同時に「初めて飲む前に、鏡で全身をチェックしておく」ことを勧めている。というのも、もともとあった皮膚の発赤などを皮疹と勘違いして慌てて中止する人がいるので、事前に自分の体を観察しておいてもらうのだ。それから、皮疹が起きた場合の対応方法も、
「まずすぐに中止する。水ぶくれができたり、口内炎ができたりしたら、なるべく早く救急外来を受診する」
など簡潔に指示しておく。

また、ラミクタールは精神科医にはお馴染みの薬で、重篤な皮疹が出るリスクも把握しているが、その知識がすべての身体科の先生に行きわたっているとも思えないので、処方開始時から安定するまでは、電子カルテの付箋機能(※)を使って、
「〇月△日にラミクタール開始しました。重篤な皮疹で救外を受診された時はスティーブンス・ジョンソン症候群に準じて治療をお願いします」
と記載している。

薬の副作用というのは、患者に「起こるかもしれない」と説明するだけでなく、起こった場合にはどうすれば良いのかまで指導してこそ意味がある。また重篤な副作用のリスクがある薬を処方する場合には、情報を他科とも共有できるよう心がけておくことも必要だろう。

※付箋機能を使えば、患者カルテを開いた時に必ず最初の画面に表示される。

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