てんかんの新しい薬、フィコンパ。
なんでこんな発音しにくい名前にしたのかをMRに質問したら、本当は「ファイコンパ」としたかったが、先頭に「ファイ」のつく薬がすでに出ていたためダメだった、とのこと。
最初の三文字がかぶってはいけないとなると、可能な組み合わせは……、二日酔いで計算する気になれない。
新しい薬の名前は、すでにある薬と最初の三文字がかぶるとダメというルールで、これからも薬が増え続けるなら、極端な話、いずれ「ンニャラピン」なんて薬も出るかもしれない(笑)
それはそれで可愛らしい気もする。
ところで、このルールはいつできたのだろう? 精神科では睡眠薬マイスリー、抗てんかん薬マイスタンがあるし、薬の本をざっと見ても、ペントイル、ペントシリン、ペントナってのがある。
このルールを考えると、明治製菓の抗うつ薬「リフレックス」は良い名前を選んだと思う。「リフレ」の響きはかなり良い。
同じ理由で、エナジーをイメージさせる「エナジェックス」とか、パワフルを連想させる「パワフリン」とか、最初の三文字が早い者勝ちなら、とにかく名前を早めにとっておくほうが良い気がする。
一方で、最初の三文字がかぶっていないのに似ている薬もあって、研修医時代になかなか区別できなかったのが、サイレースとセレネース。どちらも向精神薬というのも厄介。まぁ、今は専門にしているので間違いはないけれど。
薬の名前についてのお話でした。
電子カルテ導入くらいではないでしょうか。最初の3文字ほどの入力で該当する薬剤名が列挙されますが、そこから選ぶときに間違えてクリックして誤った処方を出してしまうというミスが多発していた時期があり歯学部附属病院内でも大々的に注意喚起されていました。その後システムを変更したりとソフト側での対策はいろいろとっていましたが、結局は使う側の確実な知識と集中力が求められて、急いでいる時に迷うのは仕方ないとかそもそも薬の名前が似ているのが問題だとかドクター側も不満続出、ということがあったのを思い出しました。
返信削除>Matie先生
削除なるほど、電子カルテ、オーダリングシステムが普及したあたりで、誤処方が増えたのかもしれませんね。当時はまだ医学生だったか、まだ医学生ですらなかったか、記憶はあやふやですが、テレビだったかネットだったかで誤処方が問題になっているのは見聞きした覚えがあります。
完璧なシステムというのは難しい、というか、ユーザーの好みが千差万別で不可能ですよね……。オーダーミスを徹底的に防ぐという目的で、あれこれと張り巡らされた防衛線が実運用上は邪魔くさくって、当院でもいくつかの防衛線は業者に注文して撤廃されました。