2019年11月11日
「回復」「解放」への提案 『もちきれない荷物をかかえたあなたへ アダルト・チャイルド、そして摂食障害・依存症・性的虐待……いくつもの課題をのりこえる生き方の秘訣」
アルコール依存症の親を持つ人たちへの援助を任されたクラウディア・ブラック。ところが、援助を受ける人たちの年齢層はバラバラで、小さな子どもから青少年、中高年の人たちまでいる。幅広い年齢の人たちに、同一の援助を行なっても効果的ではない。
そこで彼女は、被援助者を3つのグループに分けた。
12歳までのヤング・チャイルド・グループ。
13歳から19歳までのティーンエイジ・グループ。
20歳以上のアダルト・チャイルド・グループ。
そして、この「アダルト・チャイルド」(AC)という言葉がアメリカ、そして日本で爆発的に広まることになる。
もともとはアルコール依存症家族で育って成人した人の意味だったが、現在では日本だけでなくアメリカでも「機能不全家族で育った人」というように拡大されている。
ブラック自身は、このアダルト・チャイルドという言葉の流行と拡大に対して、ちょっと危惧を抱いていたそうだ。
アダルト・チャイルドは病名でも医学用語でもない。
機能不全家庭で育ったがゆえの問題から回復しようと取り組んでいる人、援助を受けている人のことである。決して、「自分はアダルト・チャイルドだから」という言い訳のための言葉ではない。重い荷物をおろすための気づきを与えてくれる言葉なのだ。
本書では、そんなアダルト・チャイルドがどうやって荷物をおろしていけば良いのかのヒントをたくさん提示してくれている。
治療者としても回復者としてもためになる良い本であった。
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