2018年8月23日

名作なのに、文庫本の裏表紙にあるあらすじと、Amazon商品説明の盛大すぎるネタバレがひどい! 絶対に面白いので、このネタバレは読まず、あらすじも知らないまま読むことをお勧め!! 『ハリー・オーガスト、15回目の人生』


文句なしの名作。この評価は真っ先に書いておきたい。

本書はタイムスリップものの小説で、1919年生まれの「わたし」ことハリー・オーガストの視点で描かれていく。ハリーは死んでも、記憶を残したまま1919年に、同じ状況で生まれ変わる体質を持っていた。

ここでケン・グリムウッドの『リプレイ』を思い出す人も多いだろう。ただ『リプレイ』が死んだら記憶を残して18歳からやり直しという、わりとお得な設定であるのに対して、本書は0歳スタートである。記憶は3歳くらいから思い出し始め、非常に退屈な幼少期を過ごさねばならない。

さらに、同じ体質の人が50万人に1人いるという点も斬新であった。こうした体質の人たちは、生まれ変わりの人生3回目くらいまでは精神的に混乱して幼少期に自殺したり、精神病と診断されて入院させられたりする。そこから徐々に自分の人生を受け容れ、「500歳や800歳ぶんの知識をもった20歳」のような人生を送る。

あまり多くを書くとネタバレになるので控えるが、とんでもなく面白い小説だった。ただし、最大のクレームを出版社に出さねばならない。というのも、文庫本の裏表紙あらすじ、それからAmazonの商品説明に、盛大すぎるネタバレが書いてあるから。ミステリ要素も入った小説で、ここまでひどいネタバレもなかろう。

絶対に面白いので、このネタバレは読まず、あらすじも知らないまま読むことをお勧めする!!

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