2013年5月21日

治安は本当に良くなっているのか? 『誰が誰に何を言ってるの?』

誰が誰に何を言ってるの?
いつもの森節が炸裂(という表現は、森のタラ~ッとした文章にはしっくりこないが)している本。それはともかくとして、気になったのが、やたら犯罪は減少しているのだと繰り返すこと。でもそれって、本当に本当なの?

確かに、犯罪件数は減っているようで、例えば少年犯罪は、1960年と比べると3分の1に減っているそうだ。そこで、総務省のホームページで人口ピラミッド図を調べてみた。
上が昭和35年、下が平成22年である。
u01_z09
u01_z19 (1)
見て分かるように、少年の数自体がかなり減っている。少年犯罪数は減って当然なのだ。だから数だけを比較して、「何分の1になっているから、それだけ治安が良くなっている」という結論はあまりに早計に過ぎるんじゃないだろうか。

理想としては、年齢別人口と犯罪数の割合、それからできれば犯罪種別まで細かく統計をとるのが良いだろう。残念ながら俺にはそこまでやる能力はないし、そんなに時間も割けない。ただ、こうして警鐘を鳴らすだけだ。

森達也のような人たちは言う。
「ほら、こうやって統計をきちんと見れば、犯罪数がかなり減っていることが分かるでしょ? 治安は悪くなっていないんだよ。むしろ良くなっているんだよ」
でもそれって、本当に本当で、統計だけを見て鵜呑みにして良いものなの?

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