2014年7月31日

ご冗談でしょう、ファインマンさん

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉

面白かった。

ファインマンという人は、もの凄く頭が良くて、しかも好奇心旺盛で、絵画から音楽まで興味を持ったものにはとことんハマってみようという姿勢が凄い。

雲の上の人のはずなのに、なんとも親しみがもてるのは、彼の人間力なのだろう。

2014年7月30日

しまった! 「失敗の心理」を科学する

しまった! 「失敗の心理」を科学する
面白かったけれど、類書に比べると内容がちょっとライト。引用文献も示されていないのがちょっと残念(これは原書ではどうか分からないが)。

以下、Amazonの内容紹介からピックアップ。
「人間はなぜ、まちがうのか」というテーマについて、面白くてネタになるトピックを「これでもか」というぐらい集めて分析した本。
★レントゲン技師は、画像に写っていた悪性腫瘍の9割を見落とす?
★トップレスダンサーの収入は、彼女の月経サイクルに左右されている?
★黒いユニフォームのチームは、ペナルティーをとられる可能性が高くなる?
★人間は、誤りを犯しそうなときは、むしろ「行動を起こさない」という誤りを犯すほうを選ぶ?
★「セックスした相手の数」を、男は女の四倍も多めに答えたがる?
★医師の84%は、同業者がメーカーからの贈与に影響されていると考える。だが、自分が影響されていると考える医師はわずか16%しかいない。
★映画を「あとで見る」人は高尚な作品を、「いま見たい」人は大衆的な作品を選ぶ。
★予備選名簿の一番目に載った候補者は、得票に三ポイント上乗せできる。
★投資家は、金曜日の経済記事には月曜日の記事ほど注意を向けない。
★人間は、印象の操作など特定の目的のためには平気で話をつくり変える。
★無意識につくり変えた話でも、二度三度と繰り返すうちに、いつしか「記憶」そのものになってしまうことがある。
★一般的に、男は自分を持ち上げるために、女は他人を持ち上げるために嘘をつくことが多い。
★社会的地位や学歴、収入は、全体の幸福度におけるわずか3%しか占めていない。
★ 人を単純作業に従事させるためには、お金の力がものを言う。だが、たいていの行動では、人間は総じて金銭的同期には左右されない。 

2014年7月29日

忘れてしまいたいほどの悔しさを忘れるな。それは絶対バネになる。

「なんで酒飲まないの?」
元上司は、少し酔った目で俺に声をかけてきた。
「医学部に入るために勉強しているので」
そう答えると、彼は鼻で笑った。
「現実逃避としか思えないね」

ブックオフを退社して3ヶ月ほど経ったある日。元上司の転勤が決定したらしく送別会に誘われた。その上司とはあまり気が合うほうではなかったし、自分は元社員で無関係なのだから行かないと答えた。医学部を目指して勉強を始めていたこともあり、飲み会になんか行っている場合ではないという気持ちもあった。しかし、上司がどうしても来てほしいと言っているとのことで渋々参加することにした。

そしてそこで、その上司から笑われたのだ。

「現実逃避としか思えないね」

彼のその一言、そしてその時に感じた震えるほどの悔しさ。

それは、俺の心をいつも支えてくれた。

くじけそうになると、あの時の上司の顔と声、そして自分が感じた悔しさを思いだし、歯を食いしばりながら、「今に見てろ」と念じながら、また立ち上がって歩き出した。

トンデモないブラック上司だったが、今となっては懐かしく、そしてほんの少しの感謝の気持ちすら持っている。あの一言と悔しさがなかったら、俺は医者にはなれなかっただろう。


コメントくださった方への返信にかえて。

月夜

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不合理だからうまくいく

不合理だからうまくいく:行動経済学で「人を動かす」
どんな感じなのかは、同じ著者による前著『予想どおりに不合理 「あなたがそれを選ぶわけ」』のレビューをぜひ読んでみて欲しい。

面白い本には印鑑を押す。こうすると古本屋にも図書館にも引き取ってもらえない。今後手放す気持ちが一切ないことの証明である。そして本書にも印鑑を押した。

本書のAmazonレビューを見ると、ちょっと面白いことが分かる。文庫版の評価はあまり良くないのだが、単行本のレビューはかなり良いほうだ。これはつまり、読者層の違いだと思う。

俺としては非常にお勧めできる本。

2014年7月28日

ブラック上司の思い出

ブックオフで勤務した1年間のうち9ヶ月を、Nさんという人の下で働いた。このNさん、とにかくブラック上司だった。

あれこれ思い出せばキリがないが、印象的なエピソードを3つ。

1.話が長く、薄い。
Nさんは5分話すうちの4分は考え込んでいる。こちらがひたすら聞き役で、Nさんが1時間話しても、喋っているのは10分ちょっとである。そんなNさんから、仕事が終わった深夜1時から2時間くらい説教をされても、言葉をまとめてしまえば30分にも満たない。残り1時間半は「うーん」とか「えー」とか、そういう間投詞が延々続く。子守り唄に聞こえてきて、寝てしまったことが何度もある。

2.ビックリするくらい思いやりがない。
上記したように、Nさんの説教は長くて薄い。そして、そういう深夜の説教は、たいてい翌日にNさんが遅番(15時出勤で深夜1時まで)、俺が早番(9時出勤だが、社員は深夜1時までが基本)の時に行なわれる。
ある日、仕事が終わった深夜1時にNさんから飲みに誘われた。翌日は俺もNさんも早番だったので、そう遅くはならないだろうと思って行くことにしたが甘かった。やはり3時間コースのNさん節。
「もうこんな時間か。よし、そろそろ帰ろうか」
「はい(眠くて仕方ない)」
「明日、2人とも早番だっけ?」
「そうですね(もしかして、遅番にして良いよと言われるかとうっすら期待)」
「それじゃ、朝番お願いして良い? 俺、遅番で行くから」
「はい(え?)」

3.時どき熱いことを言うが、行き当たりばったり。
昼休みに休憩室でシーフードヌードルを食べていると、Nさんが入ってきて俺の姿を見て言った。
「そんなもん食ってんの!?」
「え? あ、はい」
「あのさ……」
ここからNさん節の薄く長い話が始まるが、それをまとめるとこうなる。
「スタッフがその姿を見てどう思う? 社員がカップラーメン食べてるのを見て、体壊さないかなとか、大丈夫かなとか、そういうことを思うかもしれないでしょ。そしたらスタッフは不安になるよ。そういう余計な心配をスタッフに抱かせないようにしないといけない」
俺は黙って聞いていたので、当然ラーメンはのびた。それでも、確かに一理ある話ではあったし納得できた。
そして、その日の夜の休憩では、Nさんが美味そうにカップ麺をすすっていた。ちなみに、9ヶ月を通して数えきれないくらいNさんがカップ麺を食べている姿を見たが、彼のお気に入りはスーパーカップだった。

こういう上司にはならないぞと、つくづく思った23歳の頃の思い出。

人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか

人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか

いろいろと考えさせられた。ちょっと高いが、1993年発売から刷り重ねられて俺のが2010年18刷りであるから、それほど読み継がれている名著ということだろう。ごくまれに読み解きにくい部分があるものの、全体としては分かりやすくて非常に面白かった。

2014年7月25日

港の灯り

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2014年7月24日

快楽なくして何が人生

快楽なくして何が人生
団鬼六らしい軽妙な語り口で、思わずプッと吹き出すような話もある。さらっと読んでしまえる新書。

2014年7月23日

バカ親を啓蒙する効果は現状がマックスだろう

パチンコ駐車場での子どもの死は、哀しいかな、もはや日本の夏の風物死とすら言えるくらい毎年のように繰り返される。小さな子どもを車の中に放置してパチンコに呆けるバカ親はいつまでたってもなくならない。ただ、これを親の資質のせいにして叩くだけでは、いつまで経っても死ぬ子が減らない。啓蒙の効果も、おそらく現状がマックスではなかろうか。

では、どうすれば良いのか。

医療ミスを減らすためのアイデアを応用するのだ。すなわち、

1.アホなことが物理的にできないようにする。
2.アホなことをしても、重大事故につながりにくい装置や仕組みを考える。
3.アホなことをして重大事故になりかけても、素早く気づかれるようにする。
4.ミスや事故を個人の責任にせず、組織全体で受け止める。

これをそれぞれパチンコ店の駐車場にあてはめて考えてみると、

1.駐車場をなくす。あるいは、駐車場に有人ゲートを設けて子連れを拒否する。
こうして、まずアホなことができないようにする。

2.駐車場を10分500円にする。
駐車場をなくしたり、強気な有人ゲートを設置したりがムリなら、次の案。こうすれば、長時間、車をとめようなんて思わない。

3.チャイルドシートに重量・室温の感知センサーを装備。車と連動する仕組みで、一定温度以上になるとクラクションが鳴り響き、窓が全開になる。
アホなことをして、重大事故になりかけても早期に発見されるというのがこれ。アホな親がこんなチャイルドシートを買いそうにはないというのが最大の難点。

4.パチンコ店にも重いペナルティを課す。
その店の駐車場で子どもが死亡するような事故が起きた場合、2週間の営業停止処分など。こうすれば、上記1、2のアイデア以上のことをパチンコ店が実施することを期待できる。すでに本格的に取り組んでいるパチンコ店もあるらしいが、罰則はそれを後押しする。


責めるだけでは子どもたちは救われない。もちろん、アイデアだけでも救われない。こういうアイデアをどこまで広げて、どうやって実現させるか。こういう発想がもっともっとたくさん出てきて、それが社会全体のコンセンサスにまでなって、パチンコ店の規制(駐車場ゲート設置の義務化)などが進むと良いなと思う。

<関連>
赤ちゃんの車内放置死亡をなくすために
車内放置:パチンコ店駐車場で乳児死亡、母逮捕 沖縄
毎日新聞 2014年07月22日
生後5カ月の長男を車内に放置して熱中症で死なせたとして、沖縄県警豊見城(とみぐすく)署は22日、母親の同県豊見城市名嘉地、無職、新垣清乃(あらかき・きよの)容疑者(40)を重過失致死の疑いで逮捕した。同署によると、新垣容疑者は容疑を認めているという。
逮捕容疑は、新垣容疑者は6月10日午前10時半〜午後5時、那覇市のパチンコ店駐車場に止めた軽乗用車の中に、長男の博大(ひろと)ちゃんを放置し、熱中症で死亡させたとされる。午後5時15分ごろに新垣容疑者が博大ちゃんを病院に運んだが、既に心肺停止状態で、午後6時15分ごろ死亡が確認された。不審に思った病院が通報した。
調べによると、新垣容疑者は車のエンジンは切り、博大ちゃんは後部座席のチャイルドシートに座らされていたという。当時の那覇市の最高気温は29.2度だったという。【佐藤敬一】
http://mainichi.jp/select/news/20140722k0000e040177000c.html

山猫の夏

山猫の夏

上質な長編映画を観たような錯覚にとらわれる、そんな小説だった。映画『LEON』との共通項はなにもないけれど、ラストシーンにはStingの『Shape of My Heart』がピッタリ。

2014年7月22日

帰路の影

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ガダラの豚

ガダラの豚〈1〉

面白いとは聞いていたが、まさかここまでとは……。あまりに引き込まれ、同期と酒を飲んだ翌日にも早朝から起きて読むというハマリっぷり。結局、2日で読了。まったくストーリーを知らずに読んだのがまた良かった。素敵な読書時間を感謝したい。

未読の人には、ぜひ前知識なしでの読書を勧めたい。

2014年7月18日

人は皆「自分だけは死なない」と思っている -防災オンチの日本人-

人は皆「自分だけは死なない」と思っている -防災オンチの日本人-
駐禁マークの斜め線の起点は、左上だろうか、それとも右上だろうか。あのマークが英語の「NO」を組み合わせたものだと知ると、以後、間違える人はほとんどいない。

このように、防災のための準備や行動をただ暗記するのではなく、理由まで理解することで記憶に定着する。理由が分かっていれば、今度は状況に合った、臨機応変に動けるというのが著者の主張である。

非常に分かりやすくて、中身のある本だった。家族や親せきにぜひ一読を勧めたい一冊。

2014年7月16日

夜桜

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平成26年4月2日撮影。

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それでも人生にイエスと言う


訳が読みにくい……。評価はもの凄く高いが、翻訳に対して苦言を呈しているレビューも多い。普段、読書しない人が読むのにはまったく向いていない。

2014年7月15日

アラビアの夜の種族

アラビアの夜の種族〈1〉
しまった……。貴重な読書時間を無駄にしてしまった……。大長編の中盤くらいまではなんとか楽しめたのに、そこからはひたすらに苦痛、苦読、苦渋!!(←読んだ人なら分かるが、こんな感じの文章が多い)

結局、後半は流し読み。大長編の前半にかけた投資時間がもったいなくて、ついつい止め時を逃してしまったのだ。敗因は、「読書は損切り」という鉄則を守れなかったこと。おかしいと思ったら、早めに撤退するに限る。

よほどのもの好きじゃないと面白く読めないんじゃないのかなぁ。

2014年7月14日

音楽とだけ向き合あった2時間

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出張先にある寺で開催された、2時間2千円のジャズライブに行ってきた。演奏者はわりとハイレベルな人たちのようだ。

多くの人にとって、音楽は生活の大切な一部である。と同時に、生活背景のような存在になっていて、音楽だけをじっと聴くということは少ない。たいていは、運転や料理など何かしながら音楽をかけている。 

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こうやってライブにでも行かないと、音楽だけを堪能する機会というのはそうないものだ。非常に楽しいひと時であった。 

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ただ、隣に座った男性がノリノリで足を踏み鳴らすのは良いのだが、微妙にリズム音痴で、床が畳なものだから、その振動が俺のイスにもズンズン伝わってきて、リズム酔いしそうだったのにはちょっと困った。

医師が「患者の人権を尊重する」のは時代遅れで世界の非常識

医師が「患者の人権を尊重する」のは時代遅れで世界の非常識
タイトルは衝撃的だが、患者の人権は軽視して良いと言っているわけではない。むしろその逆で、「尊重」ではなく「最優先」にしなさいと、大雑把に言えばただそれだけの話。

もう少し細かく言えば、
「医師は、自分自身の治療に責任を持つべきである」
ではなく、
「医師集団は、各医師の治療に責任を持つべきである」
といった感じ。

流し読みで充分。

2014年7月7日

帝王切開で生まれた子どもは忍耐力が弱い?

NHKで『増える帝王切開 求められるケア』という番組があったのがきっかけのようだ。

非常に良い番組だと思う。ただ、ちょっと遅くない? 俺がツイッターに書き込んだのが2010年8月で、それ以前からママさんたちは色々な誤解や偏見に悩まされていたはずなのに。でもこういう正しい知識を広めていくことは非常に有意義だと思う。

ただ、怖いのは差別や偏見というのが「目の錯覚」と似ていることである。


例えばこの絵の縦線は同じ長さである。実際に測ってみると確かに同じだ。しかし、どんなに頭では同じ長さだと分かっていても、どうしても右が長く見えてしまう。差別や偏見も同じである。正確な知識で理解をしていても、いざ実際に目にするとどうしても脳が騙されてしまうのだ。

<参考図書>

2014年7月4日

戦争反対のためのテロさえ否定する、それが真の暴力反対である

take20s
為政者から「敵を殺すか、敵に殺されるか」を押しつけられても、「殺さないし、殺されない」という方法を模索するのが真の反戦主義だ。殺すくらいなら、その前に自殺してやれ、なんてのは反戦主義なんかでは断じてない。

今回の焼身自殺テロで、もし彼の主張が真逆の「集団的自衛権に賛成」だったら、擁護する人や非難する人の態度はそれでも変わらないだろうか? テロ行為に対しては、自分の主張に近いから「大義のために命を賭した」と美化する考え方も、自分の主張と違うから「迷惑行為だ」と卑下する姿勢も、両方とも捨てなければいけない。

焼身自殺を図った彼の行為を、自分たちの都合の良いように解釈して扱ってはいけない。テロはテロであり、主張が自分に近かろうが遠かろうが、彼がとったような手段は断固として否定しなければならないのだ。

それができるかどうか。

今回の事件は、それを日本人全体に問いかけているような気がする。



※「命がけの抗議」で俺が思い浮かべるのは、焼身自殺なんかではなく、天安門事件における無名の反逆者




<関連>
新宿駅前での焼身自殺はただのテロ
テロを美化する人たち

2014年7月3日

テロを美化する人たち

伊勢谷友介という人のことはまったく知らないが、芸能人らしい。その伊勢谷が凄いことを言っているニュースがあった。

伊勢谷友介、抗議の焼身自殺未遂者への批判に怒り……「卑下することは許せない」

全文は最後に引用するとして、ポイントを抜き出す。
「命の使い方をどうするかは、意志のある人間が持てる大切な自由だ。それも社会の一大事に、命を賭して、その問題提起や変革のための切っ掛けを創るなら、なおのこと然りと言うべきだ」
中東の自爆テロや9.11の実行犯にだって、
「社会の一大事に、命を賭して、問題提起や変革のための切っ掛けを創る」
という気持ちがあっただろう。それを「然りと言うべきだ」と断言するこの伊勢谷という芸能人、大丈夫か? 確かに自殺未遂者を卑下するのは良くない。しかし、テロ行為を美化するのは、自殺未遂を卑下するのと同じくらい良くない。我々は、自殺未遂に対しては真摯に受け止めつつも、テロ行為に対しては断固としてノーと言うべきなのだ。

「大義のために命を賭す」
ちゃんちゃらおかしい言い分である。テロとは、実行犯の脳内でそうやって美化された暴力のことである。

伊勢谷友介、抗議の焼身自殺未遂者への批判に怒り……「卑下することは許せない」

6月29日に新宿駅南口の歩道橋で、50~60代と見られるスーツ姿の男性が拡声器で約1時間にわたる演説後に、ペットボトルに入っていた液体を自らの体にかけてライターで火を着け、焼身自殺を図った今回の事件。報道によれば、男性は集団自衛権の行使容認に抗議する演説を行っていたという。
伊勢谷はこの事件後にネット掲示板「2ちゃんねる」に匿名で投稿されていた内容がひどいものだったとし、「『名無し』の人間が、焼身自殺と言う命をかけた行動を、頭ごなしに迷惑だとか、狂人扱いし、卑下することは許せない」と怒り心頭。「命の使い方をどうするかは、意志のある人間が持てる大切な自由だ。それも社会の一大事に、命を賭して、その問題提起や変革のための切っ掛けを創るなら、なおのこと然りと言うべきだ」と持論を展開した。
今回の事件をめぐっては、北海道道議会議員の小野寺まさる氏がTwitter上で「これは公衆の場での迷惑極まりない行為であり、明らかに犯罪だ。又、死にきれずに多大な方々に迷惑をかけた愚行だ」などと発言し、物議をかもしている。
なお、伊勢谷は今回の自身の記事について、自殺未遂者のメッセージを称賛したり自殺を推奨するものではないとしている。
http://news.livedoor.com/article/detail/8996731/
言い訳がましい一文が気になる。焼身自殺を図った男性のメッセージは「集団的自衛権行使に反対」であり、それについて称賛しているわけではないが、行為そのものは「然り」と考えているのであれば、「テロ行為を美化している」と非難されても否定できなかろう。

2014年7月2日

新宿駅前での焼身自殺はただのテロ

集団的自衛権の行使容認に反対して、新宿駅前で焼身自殺をした人がニュースになった。このように文字通り「命がけで訴える」というのは、「自らの命を人質にとった脅迫」である。
何らかの政治的目的のために、暴力や暴力による脅威に訴える傾向や、その行為のこと。
これを、テロリズムという。そして、この「暴力」には自分への暴力も含まれる。焼身自殺を図った彼の行為に賛同したり共感したり美化したりする人がチラホラいるようだが、それは無意識にテロを容認しているということだ。

集団的自衛権に反対するためにテロ行為に走る、そのことの矛盾、バカらしさ、愚かしさ。集団的自衛権に関する議論そのものよりも、あの人が行なったのはテロ行為であるということを、より多くの人に気づいて欲しい。

正しいことを主張するのに、手段が間違っていたら意味がない。集団的自衛権への賛成・反対のどちらが正しいかどうかはともかくとして、演説を焼身自殺で締めくくった時点で彼の行為はただのテロリズムに堕してしまったのだ。

<関連>
戦争反対のためのテロさえ否定する、それが真の暴力反対である
テロを美化する人たち

新宿南口で男性が焼身自殺図る 「集団的自衛権の行使容認に反対」演説後 2014.6.29
29日午後2時10分ごろ、東京都新宿区西新宿の歩道橋上で、男性がペットボトルに入ったガソリンのようなものを頭からかぶり、自分で火をつけた。男性は病院に搬送されたが、やけどを負うなどして重傷。搬送時に意識はあったという。
警視庁新宿署は容体が回復次第、男性から事情を聴く方針。
現場はJR新宿駅南口の「新宿ミロード」と「新宿サザンテラス」をつなぐ、「ミロードデッキ」と呼ばれる歩道橋。周辺では買い物客などが通行しており、一時騒然となった。
同署によると、同日午後1時5分ごろ、現場周辺にいた男性警備員から「歩道橋の鉄枠の上に、50~60代でグレーの背広を着た男性が乗って、拡声器で何かをしゃべっている」と110番通報があった。
署員が駆けつけたところ、歩道橋の上に組まれた鉄枠部分に座った男性が、拡声器を使い、集団的自衛権の行使容認や、安倍晋三首相の政策に反対する内容の演説をしていたという。
男性は1時間以上にわたって手元の紙を読み上げた後、脇に置いていたペットボトル内の液体を頭からかぶり、ライターで火を付けたという。火は、駆けつけた消防隊員らに消し止められた。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140629/dst14062916150005-n1.htm

天竺熱風録

天竺熱風録
田中芳樹による中国・インドを舞台にした小説。口語調の講談風で、最初はエッ!?となるが、慣れるとそれはそれで親しみがもてる。話の筋としてはテンポが良くて読みやすい。

2014年7月1日

かかとをつけてしゃがめない子供が1割 ロコモ症候群の恐れ!?

かかとをつけてしゃがめない子供が1割 ロコモ症候群の恐れ

このニュースを見て真っ先に思ったこと。

洋式トイレが普通の西欧での結果を知りたいね。きっと、こんなことくらいでビビる必要がないことが分かると思う。

うつ病の「普及」には、抗うつ薬を売る製薬会社の「意図」があった。メタボの「普及」、ロコモの「普及」にも、何らかの「意図」があるはずだ。悪意ではないにしても。

これは陰謀論というより、経済論。

僕のこころを病名で呼ばないで:思春期外来から見えるもの


我が家の二度目の出産関連で平日に連休をもらったので、その間に少しでも精神科関連に触れておこうと思って持ち帰った本。文庫で読みやすい。平易な言葉で書いてあるし、医療職でなくても読んで何かを感じたり得たりできるんじゃないだろうか。