2017年2月24日

語り継がれるべき名著 『精神科看護のための50か条』


精神科の入院治療においては、治療と看護は密接につながっている。いや、「つながっている」というより「一体化している」というほうが正確だろう。いかに名医が素晴らしい薬を処方しても、良い看護なくして充分な治療効果は発揮し得ない。その逆に、凡医による平凡な処方でも、看護次第で目覚ましい結果を得ることも可能である。

つまり、精神科医が精神科看護について勉強すれば、それは「治療を学ぶ」のに等しいということだ。そういうわけで、看護師向けの精神科書籍も過去に数冊読んでいる。中でも中井久夫先生の『看護のための精神医学』は非常に優れている。また、師長に紹介された精神科看護の雑誌連載も面白そうだったが、今のところ手がまわりそうにない。

他職種の業務を勉強するという点では、看護師が医師の仕事を学ぶより、医師が看護師の仕事を学ぶほうが得るものが大きいのではなかろうか。そういう意味で、医師のほうが、勉強することにお得感がある。

本書では、精神科看護のためのポイントを50ヶ条に分けて、読みやすく、分かりやすく、そして頭と心に響くように語ってある。すべてを引用はできないが、各タイトルをいくつか引用。

・ 申し送りについて
・ 何はなくともケース・カンファレンス
・ 違いのわかる看護師と同じのわかる看護師
・ 記録について
・ 夜勤について
・ 家族面会について
・ 病棟規則について
・ 事故について
・ コトバにするコミュニケーションを過信しないこと
・ 沈黙について
・ 常識の大切さ
・ お小遣いなど
・ 外泊について

このような、「格式高い教科書には盛り込みにくいが、現場ではとっても気になっていること」について、やさしく語りかけるように記述されているので、読み手のこころに届きやすい。

非常に良い本なので、『精神保健と福祉のための50か条』も読むことにした。

2017年2月20日

テーマは硬く、描写はラノベ 『臨機巧緻のディープ・ブルー』


登場する人工知能が「ちょっとアンタ!」と喋るなど、小説全体の雰囲気はラノベである。しかし、テーマは真面目。人類が「知は力なり」の信念を携えて宇宙に飛び出し、地球以外の惑星で生命体と遭遇した時、人類と相手の双方にとってどういうことが起こるのかを描いてある。

ラノベではなく、もうすこし硬派なものに仕上げても充分に通用する気がする……。異星人間の重大トラブルが、さして優秀でもない主人公の人柄によってあっけなく解決していくので、そういうお気楽な展開に対して「なんじゃこりゃ!」と思うような人にはお勧めできない。

三女ミィ、無事に生後100日、お食い初め!

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長いようで短く、短いようで長い、そんな100日だった。

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ちょうど日曜日というのも良かった。

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この写真のあとは、3姉妹を並べて寝かせ、文字を「3 girls」に作り直して撮った。さらには妻も並んで、我が家の「4 girls」(?)でも撮影。

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お食い初めは、毎回近所のスーパーで鯛を頼んでいる。裏面は刺身にしてもらう。

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三女ミィがお祝いされるのに焼きもちをやいて、ベビーラックを占拠する次女ユウ(笑)

2017年2月17日

「うつの8割に薬は無意味」というタイトルは煽り気味だし、文章表現にトゲを感じる部分も多く反感を招きそうだが、書いてあることはいたってまとも 『うつの8割に薬は無意味』


タイトルがいかにも煽りという感じだが、序章をきちんと読めば、タイトルの意味が分かる。それを簡単に説明しよう。

治療効果を判定する指標にNNTというものがある。「Number needed to treat」の略で、「その治療を受けた何人に一人が治療効果を得られるか」というものだ。だから「NNTが1」だと全員が治療効果を得られ、「NNTが10」だと10人に1人ということだ。

さて、うつ病に対する抗うつ薬はどうかといと、ある論文で3-8だったとのこと。この中間をとって5とすると、5人に1人が治療効果を得られる、つまり20%だ。だから、タイトルのように、「残り8割には無意味」ということになる。

本書の著者・井原先生の『激励禁忌神話の終焉』は素晴らしい名著で文句なしの星5つだが、こちらは星1つ減じたい。内容はかなりまともなのだが、文章には精神科医に対する刺々しくて皮肉っぽい部分が多々あり、同業者の反発を敢えて煽っているのではないかと思ったほどだ。一応、一般向けの新書ではあるが、精神科医が読むということはかなり意識されているだろう。

「治しながら働く、働きながら治す」、「診断書は戦略をもって記せ」などは、「休職診断書」を乱発するような医師には啓蒙的である。また、患者にとって要注意な精神科医として、
  • 初診で薬3種類。
  • 副作用の説明がない。
  • 不調を訴えるたび薬が増量・変更。
  • 治療についての疑問で機嫌が悪化。
  • 処方のみで、助言・指導・提案なし。
  • 患者の生活を知ろうとしない。
と具体的に書いてあるのは、患者や家族にとっては大いに参考になるだろう。

本書は決して精神科医を批判・非難することに徹している本ではない。どちらかというと、「薬を飲めば治る」と安易に考えている人や「薬を飲んだのに治らないじゃないか!」と憤っている人にとってこそ、耳に痛い話が多いかもしれない。というのも、「薬物療法以上に患者本人の自助努力が大切だ」と強調してあるからだ。もちろん、患者の自助努力を、どう促し、引き出し、継続させるかという部分は精神科医として大切な仕事になるが、それは精神科医だけでなく家族の役割でもあると書いてある。

タイトルは扇情的だが、内容はバランスがとれているように思う。ただし、繰り返しになるが、敢えてなのか、うっかり筆が走り過ぎたのか、トゲトゲしい部分があるので星4つというところ。

三人娘のひな飾り

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左から長女、次女、三女の飾り。

長女のは小ぶりで上品、次女のはいかにも可愛らしい、三女のは高級感がある(実際、一番高い)。

大きさもだんだん大きくなっている。長女のと同じ大きさを探すと種類が大幅に減る。どうやら、一度はコンパクト化したものの、だんだんと大型化しているようだ。

台座がそのまま収納箱になっており、さらにそれを段ボールに入れて押し入れにしまう。この段ボールに、妻がそれぞれの子どもたちへの想いや思い出を書いている。

今週末は三女のお食い初め、来週は長女の誕生日、再来週はひな祭りと、イベントの多い2月と3月である。