2012年9月30日

「言葉」というのは「色」と似ている

ちょっと前の年寄りは、信号機の「青」を「緑」と言った。昔はきっと「緑」で正解だったのだろう。でも今は「青」が正解だ。見た目の色が違っているから? いや、そうじゃないと思う。なぜなら、俺が子どものころ、信号は「青」だと教わったが、年寄りは同じ色を見て「緑」だと言っていた。

 俺がピンクと思っているものだって、若い子からすれば、ショッキング・ピンクとかビビッド・ピンクとかパステル・ピンクとか、いろいろあるのだと思う。いや、俺がピンクと思っているのが実は「赤」に入っているのかもしれないし、もっと違う色なのかもしれない。

 「にやける」の正解が1割だったからといって、残り9割が同じ意味を共有しているとは限らないけれど、半数くらいは「大体同じ意味」を共有したはずだ。1割しか正解されない「言葉」の「意味」は、より多数が共有する「意味」を正解として良いんじゃないだろうか。
「まったり」「がっつり」多用=20~30代の半数超-「にやける」正解は1割台

20~30代の6割以上が「ゆっくり、のんびりする」の意味で「まったりする」を使い、7割の人が「にやける」(なよなよしている)の意味を取り違えていたことが20日、文化庁の国語に関する世論調査で分かった。  言葉遣いに気を使っている人は、10~50代の各年代で8割を超えるなど、過去2回の調査と比べ最多だった。  一方、話し言葉として新語を普段使うか尋ねると、「まったり」や、「しっかり、たくさん」という意味で「がっつり」を使うと答えた人は10代でほぼ半数、20代で6割を超えた。  「中途半端でない」という意味での「半端ない」、「正反対」を表す「真逆」を使う人も10代で6割を超え、10~30代を中心に新語を使う人の割合が高かった。  一方、「にやける」や「割愛」(惜しいものを手放す)の意味を正しく理解していた人は1割台にとどまり、それぞれ「薄笑いを浮かべる」、「不要なものを捨てる」と間違えている人が多かった。「舌先三寸」を「口先三寸」とするなど慣用句の誤用も目立った。  文化庁国語課は「言葉は変わっていくので、全て誤用と言い切れない」とする一方、「意味を理解せぬまま誤った使われ方を見聞きし、そのまま覚えてしまうのではないか」としている。(2012/09/20-17:10)

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム


いやー、面白かった。まさにジェットコースター・ムービー。前作に負けず劣らず、二番煎じ感もなく、良い映画だった。続編出たら観るだろうな。ちなみに、小説は読んだことがない。

砂漠

砂漠
前半は真面目に読んでいたが、途中から飛ばし飛ばしになった。読むのをやめても良いレベルだったが、とりあえず最後まで到達。読後感は、「時間がもったいなかったかなぁ」。amazonでの評価はやたら良いが、お勧めしない。

2012年9月29日

酒呑まれ

酒呑まれ

酒好きで、酒に呑まれる著者の酒にまつわる半生を綴った本。前半、酒を飲み始めた小学生のころの話には思わず吹きだし、中盤から後半、著者の飲み方になんとなく共感を覚える。思わず酒を飲みたくなる一冊(そして実際に飲んだ)。

生活の裏側

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2012年9月28日

でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相

でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相
この本は非常に面白かった。面白いなんて感想は、この事件でやり玉に挙がってひどい目に遭ってしまった教師にとっては腹立たしいかもしれないが……。それにしてもひどい両親がいたものだ。モンスター・ペアレントという言葉では生ぬるさを感じる。もはや病的レベルなのだ。

この本に出てくる原告の母親は、自分にアメリカ人の血が入っているに始まり、様々な嘘のプロフィールを言い連ねる。そして、それが裁判所で暴かれると、それを覆い隠すような嘘を塗り重ねていく。その嘘の上塗りがなんとも痛々しい。こういう嘘をつく輩に、ロクな奴はいない。いや、そんなにすぐバレるような嘘をつく奴なんていないだろ、と思うかもしれないが、皆が思っている以上にそういう人というのはいるものだ。ただ、嘘に気づかないだけで。

これは是非とも学校関係者に読んで欲しい一冊。

影のおねしょ

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干した布団にうつる影がおねしょに見えてw

2012年9月27日

昨日で生後7ヶ月!!

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昨日で生後7ヶ月!!
これまでは無事にすくすくと育ってくれた。

サクラからしたら曾祖父にあたる妻の祖父が体調を崩しているので、現在はお見舞いで女2人帰省中。

そうそう、9月24日の夜には弟から連絡があり、サクラの一学年下になる従弟が生まれたとのことだった。俺の母からしてみたら、昨年5月から今までで孫が3人生まれて、2人から一気に5人に増えた。何人まで増えることやら。

古びた石階段

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火怨 北の燿星アテルイ


上下巻と一気読み、そして泣いた。

読み始めるまでは、歴史小説かぁ、ちょっと固そうだなぁ、なんで買っちゃったんだろうなぁ、厚くて本棚の場所をとっているから早めに読まなきゃだな、くらいのレベルだった。ところが、読み始めると、そこに描かれている漢気に胸打たれて、それに知略謀略の見事な成功が痛快で、ぐいぐいと読まされた挙げ句に、最後は泣いた。

タイトル、サブタイトルともにちょっとダサくて手を出さない人が多いかもしれないのだが、これを食わず嫌いはもったいない。

2012年9月26日

黄色い蜃気楼

黄色い蜃気楼
船戸与一が描くクライム冒険小説。船戸の文章は凄くクセがあると思うが、それが妙に心地いい。ハマって一気に読んでしまった。船戸の本で評価の良いものは何冊も買い込んでいるので、またしばらくしたら読むことにする。お勧め。

くさり

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2012年9月25日

ホテルの風呂の窓

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院長の恋

院長の恋
佐藤愛子を初めて読んだ。85歳でこれ書いたのか、と僭越ながらも感心してしまった。面白かったけれど、佐藤愛子の本を次々と読んでみようという気にはならなかった。

マネーボール

もの凄く面白かった。野球にはあまり興味がないのだが、それでもかなり楽しめた。野球の試合そのものはあまり関係のない内容でもあったし。

野球に興味はないと言ったものの、今年のパ・リーグの混戦模様は面白く、各チームのデータをザザッと眺めて「へぇ」なんて思ったのは確かだ。

お勧めの映画。

<関連>
プロ野球パ・リーグの順位表が面白い

2012年9月24日

ウォーキング・デッド シーズン2 4-6巻

ハッキリ言って、ストーリー展開が雑。これまで丹念に練り上げてきた人間像、織り込んできた人間関係などを一気に吹き飛ばすような、そんな感じ。6巻の最後なんて、登場人物を整理するための殺戮臭がプンプンしてしまった。

原作では、農場の後に刑務所に辿りつく。シーズン2でそこまで行くかと思ったら遅々として話が進まず、「もしかしたら刑務所シーンはスケールがデカくて映像化が無理なのかな」と思ったが、6巻の最後の最後でそれらしき建物が出てきたので、刑務所以降はシーズン3なのだろう。

原作では主人公リックがどんどん独善的になっていくのだが、ドラマ版では人間の負の一面をリックの親友ショーンが担っていた。それもついに登場人物整理に追いやられてしまって……、そのかわり、という感じで6巻の最後で一気にリックが独善的になってしまう……、あぁ、雑だ。

ところで、シーズン2の4-6巻を通して、リックの妻であるローリ、この女にもまたイライラさせられてしまった。世紀末的な世界でこういう奴がいたら、きっとチームは滅びる。

いやー、原作と比べるとなんだかヘンテコな展開になってきた『ウォーキング・デッド シーズン2』。シーズン3で盛り返すのか、それとも萎むのか。原作も読んでいるファンとしては、ちょっと期待ハズレなシーズン2だっただけに、シーズン3が不安である。

裏側

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家の裏側にはちょっとした情緒のあることが多い。

2012年9月23日

漁町ぶらぶら

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ウォーキング・デッド シーズン2 1-3巻

妻とサクラが帰省しているので、この機会に映画を観ようとレンタル屋へ行ったら、『ウォーキング・デッド』のシーズン2が出ていたので、まず1-3までを借りてきた。そして一気に観た。いやぁ、やっぱり面白い。原作とは結構違っていて、ちょっと中だるみしているような部分もあるけれど、映像でしか表現できない怖さが出せていると思う。

勢いに乗ってAmazon検索したら、原作の3巻がもうすぐ発売されるようなので予約した。

このシリーズは、原作もドラマのほうもただのホラーじゃなく、人間同士のドロドロした部分がしっかり描かれていて、いずれ家族でも観れたらいいな、なんて思っているのだが、ホラーが苦手な妻は嫌がりそう。

ウォーキング・デッド3

2012年9月22日

裏庭で太郎と

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青ガラス

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黒竜潭異聞

黒竜潭異聞
田中芳樹の中国を舞台にした歴史短編集。評判通りの面白さではあったものの、史実をもとにしているため登場人物や場所に馴染みがない俺にはちょっと読みにくかった。

2012年9月21日

徹底追及 「言葉狩り」と差別

徹底追及 「言葉狩り」と差別

良い本なのに絶版で中古しかない。出版が1994年だから仕方がないか。

この本で出てきた大阪の堺市、今はどんな感じなんだろう。当時のエキセントリックさを示す部分を引用する。
大阪の堺市は、言葉に関してすこぶる敏感な町として、関係者の間ではつとに有名である。
「婦人会館や教育委員会では、『奥さん』や『ご主人』という言葉はご法度なんです。たちまち女性差別という批判を受けますからね。『妻さん』『夫さん』というおかしな言葉で呼びあっています。」(堺市職員組合幹部)
ある保育所では、「鯉のぼりで雄が上になっているのは、女性差別につながる」と、棹を横にしてタテに吊るしているというし、節分の豆まきで「鬼にも人権がある」という奇妙な理屈をつけて、「鬼は外」をやめたり、「ひな祭り」まで、女性差別としてやめてしまった……。
堺市水道局のPRビデオ撮影の際、出演の浜村淳が「ご主人は……」と発言したことが問題にされ、撮り直しになったこともある。
異常すぎる……。この堺市の当時の山口彩子市議が委員長を務めていた「童話・絵本研究会」も、これはもうキチガイ沙汰としか言いようがない。この研究会では、180点の童話・絵本に問題があったと発表している。
『白雪姫』 肌が白く、目はパッチリ、まつ毛が長い主人公を「美人」と定義しているが、これは白人を優位視し、黒人差別につながる。また子どもに画一的美の基準を押しつけている。
『みにくいアヒルの子』 外見が醜い間はいじめられ、それに耐えて最後は美しい白鳥になったというストーリーは、「美こそ善という誤った観念」がある。ひたすら我慢を強調し、子どもに短絡的ものの見方を植えつける。
『浦島太郎』 長男でありながら、親を捨て竜宮城で遊んだために白髪の老人になったという筋書きは、「家父長意識」のあらわれである。
『こぶとりじいさん』 良いおじいさんはコブがとで、悪いおじいさんはコブがさらにくっつくという筋書きは、生まれつきの身体的特徴で人間の善悪を判断する偏見を生みかねず、障害者差別につながる問題を含んでいる。
『ごんぎつね』 「家内」「おはぐろ」など、女性蔑視の表現がある。
『王子と乞食』 階級とか貧富、障害者をめぐる差別表現が目立つ。
もはやヤクザのイチャモンレベルだが、これを大真面目に、正義心から訴えているところあたりが不気味ですらある。

『四つ』という言葉に差別的な意味があることを知っている人は、現代ではかなり少ないと思う。俺もつい最近まで知らなかった。被差別部落民への侮蔑語として使われてきたそうだ。この『四つ』をめぐって、いろいろとバカげたことに気をまわしていた時代がある。
大阪の教科書出版社の小学校の算数の教科書で、数を表す「4つ」が、72年からすべて「4こ」に書き換えられた。結局、74年度の改定から算数や理科の教科書では事実上、「4つ」という表現はなくなった。
こうした事例は教科書業界にとどまらない。テレビ朝日では「四ツ辻」→「十字路」となっている。
「ヨッ! お疲れさん」という大正製薬の「リポビタンD」の広告コピーをご記憶の方も多いだろう。74年、被差別部落「関係者」の抗議により、「ヨォ! お疲れさん」、さらに翌年、「ヨォ! やるじゃない」と変わっている。
また、大相撲の「がっぷり四つ」「左四つ」なども、一時は相当神経を尖らせて使用した時期があった。
教科書業界は一番ナーバスで“四”を強調するデザインは避ける。文章も基本的に“四”を使ったものは、他の数字に変えられれば変える。また、イラストなどで『指が五本見えない』『耳が片一方見えない』という場合、必ずイラストは描き直しになる、といったアンケート回答もあり、いずれも常軌を逸した気の回しようだ。

他にも新聞では、「二人三脚」はダメで「二人で力を合わせる」に、「盲従」もダメで「絶対的服従」に変えなさいと自社内での自主規制をするなど、差別の本質とズレまくったところでマスコミが必死になっていた話なども書いてある。

この本の出版から20年が経った今、差別や言葉狩りの現状はどうなっているのだろう。ネット上で誰かが「女中」「外人」と発言したら、その文章の意図に関係なく「差別語だ!」という指摘が入っているのを見たことがある。そう考えると、言葉狩りに関してはあんまり変わっていないように感じるなぁ……。

<関連>
差別用語って何だ!?
被差別部落の青春
ちびくろサンボよすこやかによみがえれ
忌むべきてんかん患者、それが私です

漁港

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2012年9月20日

うち捨てられた宗教施設

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砂のクロニクル

砂のクロニクル〈上〉

一気読み。一応冒険小説という分類になるのかもしれないが、内容はハラハラドキドキする感じではない。宗教と政治を軸にして、武器商人やゲリラ、革命防衛隊といった主人公たちがジットリとした情熱を見せてくれる。お勧め。

2012年9月19日

ワセダ三畳青春記

読書を趣味にしていると、時どきとんでもなく波長の合う本に出会ってしまい、引きずられて人生が変わるなんてこともある。結婚して子どももいる今の自分ではそんなことはありえないが、20歳の俺がこういう人(高野秀行)に出会わなくて良かったと思う(まぁ、その頃にはこの人の本はまだ出版されていないはずだが)。
ワセダ三畳青春記
高野の本を読んでいて、ふと高校時代の友人を思い出した。彼は東京の大学に進学して、
「バカなことは20歳までにやってしまおう」
と決意し、国内での違法薬物に手を染め、それが昂じて海外にまでドラッグ修行に行っていた。サーフィン部の活動として行った東南アジアの国では、カタコトのやり取りで麻薬を手に入れ、後輩と二人でそれを使用し、直後から記憶が一切なくなり、ふと気がつくと帰国する飛行機の中だったそうだ。周囲の人の情報では、「麻薬を使った直後から目の焦点が合わなくなって、トイレに行ったかと思えば、自分でカギを締めたくせに『出せーっ!! 出せーっ!!』と叫んだり、とにかく奇行が目立った。そんな状態だったけれど、サーフィンは普通にしていた」らしい。日本に帰って、本でその麻薬について調べたところ、どうやらカタコトでのやり取りで誤訳が生じ、1週間分だか1ヶ月分だかを一回で使ってしまったようだ。さらに、「常用量を超えて使用すると失明する危険がある」との記載があって、大事に至らずに済んで良かったとホッとしていた。

これを書きながら、この友人のぶっ飛んだ話をいくつか思い出したので、需要があるようならまたいずれ書こうと思う。

本書はお勧めだが、影響されやすい人で、かつ放浪生活に憧れる人なんかは危険だから心して読むべし。

ダンボー・ブラザーズ、パソコンに興味津々

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2012年9月18日

幻獣ムベンベを追え

幻獣ムベンベを追え
1986年から数年間をかけて、早稲田大学探検部で行なった活動の報告。本を書いたことがない著者だが、活動の言いだしっぺということもあって代表してまとめたとのことだが、その筆力に圧倒されてしまった。お勧め。

2012年9月17日

カーテン

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2012年9月14日

陽気なギャングの日常と襲撃

陽気なギャングの日常と襲撃
面白かった。前作がいまいちだったので、あまり期待していなかったのだが、明らかに一作目を超えた出来あがり。これは蔵書として持っていようと思ったが、前作は期待ハズレだったので図書館に寄付してしまった。この本は前作を読んでいないと分かりにくいので、二冊揃って一人前という感じ。だからこの本も、ちょっと惜しいけれど図書館へ寄付。

注意!!

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2012年9月13日

天空への回廊

天空への回廊
山岳小説を読むと、夏場でも体が冷える。650ページを超える大作で、前半はちょっと退屈な感じがしたが、中盤からはぐいぐい読ませる。なかなか面白かった。

木の切断面

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漁協前

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2012年9月12日

ダンボー・ブラザーズ、海に行く

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「アーニキー!!」

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「はしゃぐんじゃねぇよ」