2014年10月25日

悟空とアンパンマン、そして……

悟空とクリリンが旅をしている。
「もうだめだ、ハラが減って、リキが出ねぇ」
「おいおい悟空、こんなとこでヘバってどうすんだよ、亀仙人さまの家はもうすぐだぞ」
「だってクリリン、オラ、ハラペコだと動けねぇよ」
「しょうがないなぁ……」

空をアンパンマンが飛んでいる。
「困っている人はいないかなぁ……、あっ、お腹を空かせている子がいるぞ」

「!? クリリン!! すげぇ気が近づいてくるぞっ!!」
「だだだ誰だ!?」

アンパンマン、着地。
「こんにちは、ぼく、アンパンマンです。お腹がすいているんだね。僕の顔をどうぞ」
「おめぇ……、顔ちぎって痛くねぇのか?」
「ふふふ、ジャムおじさんのパンは美味しくて元気が出るんだよ」
「(質問に答えてねぇな……) !?」
「悟空……、こいつの気が……」
「あぁ、小さくなっちまった……」
「ぼくは、顔が欠けると力が出なくなるんだ」

そんな3人を陰から見つめる男2人。
「コマツ、ついに見つけたぞ!」
「トリコさん!!」
「あぁ、最高のアンパンだ」
「捕獲レベルは?」
「噂では1万を超えると聞いていたが……、今なら3ってとこか」

「!? クリリン、あっちにもすげぇ気が」
「あぁ、分かってる」
「ふふふ、君たち、強そうだねぇ。ところで、気ってなんのこ……」
「100連釘パンチ!!!」
コロコロコロコロ……。
「あっ、アンパンの顔が!! おめぇ、なんてことしやがる!!」
「ぼくたち、最高の食材探しをして旅をしてるんです」
「食材って、おめぇ……」
「あ、申し遅れました。ぼくは料理人のコマツで、この人は美食ハンターのトリコさんです」
「コマツ、お前の腕前、見せてやれよ」
「はいっ」

30分後。
「いただきます!!」
「うめぇぇぇぇぇぇ!!」
「やっぱコマツにかかると、食材のパフォーマンスが100%引き出されるな」
「(いや、アンパンちぎって食べてるだけじゃねぇか)」

そんな4人と食材を遠くで見つめるバイキンマン。
「(ガクガクブルブル)ハヒフヘ震える……。ヤバいって……。ジャムおじさんに知らせなきゃ……」

バイキンマンからの報せを受けて、アンパンマン号で駆けつけるジャムおじさん、バタ子、チーズ、食パンマン、カレーパンマン。

「アンパンマン、新しい顔よ!!」
♪テッテレテレッテッテー、テテテ、テッテレレ、テッテレレ、テー♪
「元気100倍、アンパンマン!!」

「悟空!! アンパンの気が!!」
「あぁ、分かってる。オラ、わくわくしてきたぞ」
「トリコさん……」
「捕獲レベル1万か……、コマツ! さがってろ!!」



悟空、クリリン、トリコ vs アンパンマン、食パンマン、カレーパンマン



八奈見乗児 「こうして、ジャンプ対フレーベル館の熾烈な戦いが始まるのだった」

決められない患者たち‏


非常に面白かった。医師にも一般の人にも勧めたい本だが、1冊3500円はあまりに高い。よほど本好きで興味がある人でないと買わないんじゃなかろうか。とても良い本なだけにもったいない。

2014年10月24日

デング熱対策のために遺伝子組み換え蚊を導入!?

デング熱を媒介するネッタイシマカへの対策として、遺伝子組み替えを受けたオスの蚊(GM蚊)の話がラジオで取り上げられた。これはイギリスのバイオ関連企業オキシテックが開発したもので、この遺伝子組み替え後のオスと普通のメスとが交尾すると、孵ったボウフラは成長できずに死滅するのだ。これを紹介していた人は、海外では次々と導入されているもので、日本でも早急に取り入れるべきだと言っていた。

これは怖い。いや、怖いというより、少なくともデング熱を意識した対策としては、リスクとベネフィットが釣り合っていない。遺伝子組み替えをした蚊を解き放った後、蚊の激減が生態系にどのような影響を与えるかも未知数であるし、その他どういうことが起こるのか分からない部分が多すぎる。

蚊が媒介する病気には死亡率の高い日本脳炎をはじめ、セントルイス脳炎ウイルス、マラリア、その他あれこれたくさんある。それぞれで年間の発生数、不顕性感染(感染しても症状が出ない)の割合、死亡率などが異なる。こういう要素を考慮に入れて、GM蚊を野に放つリスクより、蚊を大幅に減らすことのベネフィットが勝ると判断できれば、この方法は推奨できる。ただし、徹底的に吟味したうえでの判断でも、50年後、100年後に「あれで正しかった」と評価されるかは分からない。

少なくとも日本におけるデング熱対策としては、このGM蚊の導入はやりすぎであり、危険だ。仮に重篤といわれるデング出血熱でも、死亡率は1%。それも、あるタイプのデング熱に感染し、回復した後さらに別のタイプのデング熱に感染することで発症するのだから、日本でデング出血熱を発症するのは稀中の稀である(頻度としてはデング熱患者10万人のうち出血熱になるのが250人。そしてそのうち、死亡するのが2-3人)。これがたとえ死亡率の高い日本脳炎(媒介はコガタアカイエカ)の対策だとしても、やはりリスクとの釣り合いが取れていない。国内での日本脳炎の発症者は2013年に9人で、ワクチンもあるのだから。

東南アジアなど、蚊による感染症が猛威を振るっている地域で導入するならまだ理解できるが、それでも、もしかすると蚊が生態系でキーストーン的な位置を占めている可能性だってある。蚊が激減した変わりに、もっと有害な生物が大繁殖しないとは誰も言い切れないのだ。

<参考>
Wikipedia 不妊虫放飼 ネッタイシマカ対策

言葉の練習 「DVD」

最近のサクラは、自分で観たいと思うDVDを持ってくるようになった。

「パパ、しまじろうのディディビーみぅの」
「ディディビ? あー、DVDね」
「ディディビ」
「ちがうちがう、よし練習するか」

「ディー」「ディー」
「ブイ」「ブィッ」
「ディー」「ディー」

「よし、言えるかな?」
「うん」
「ディー・ブイ・ディー」
「ビィー・ビィー・ビュー」

あかん、悪なった(笑)

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2014年10月23日

「平均」の難しさ 『統計という名のウソ ― 数字の正体、データのたくらみ』

このブログの読者であれば、一般的な「平均」の計算は分かるだろう。

社長も含めた従業員が100人の会社があるとする。労働者は90人いて年収200万円のブラック、管理職は9人いて年収1000万円、社長は年収1億円とすると、この企業の「平均年収」は370万円になる。企業の90%の社員が年収200万円なのに、平均は370万円になるのだ。こういう場合の平均(相加平均)はあまりあてにならない。

そこで中央値を見ることにする。これは少ないものから順に並べて、真中のものを選ぶのだ。そうすると、この企業の場合、50番目と51番目はいずれも年収200万円だから、中央値は200万円ということになる。これは確かに実情に近い。そのかわり、ここでは搾取している側の年収1000万円と1億円という情報が失われる。

このように、「統計」というのは「まったくの真実」ではなく、「誰が、どんな意図をもって、いかなる基準で選んだものをどういう方法で数え、さらにどうやって提示するか」といったことに大きく左右される。そこには上記のように失われる情報が必ずあるということだ。

統計という名のウソ ― 数字の正体、データのたくらみ

統計に関する良書である、と書くと、なんだか難しそうな本だなぁと思われそうだが、そんなことはない。難しい式や概念はほとんど出てこない。そういう専門書ではなく、統計・数字というものを見る時の心構えのようなものが示されている。

小さくて、大きな一歩

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砂浜に裸足で立つことすら怖がっていたサクラ。
時間をかけて、ようやく波に足を浸せるようになった。
そんな臆病なサクラの、とっても小さくて、とっても大きな勇気の一歩。

平成26年6月14日撮影。

2014年10月22日

アメリカがエボラと国内でガチンコ勝負するのは、実は2度目である

今回のエボラ流行において、アメリカではリベリア帰りで体調不良を訴える男性に抗生剤を処方して帰宅させたり、その男性の看護にあたった看護師が2名感染したり、さらにはそのうち1名が発熱しているにも関わらず飛行機に乗ったりと、一歩間違うとシビアな結果になったかもしれないエラーがいくつかあった。アメリカ国内において、今後も似たようなエラーはあるかもしれないが、きっとその都度システムを修正して穴を塞いでいくのだろう。実際、今回もわりと素早く見直しが行なわれているようだ。

実は、アメリカが国内でエボラと対決するのは今回が初めてというわけではない。エボラの5種類のタイプのうち、レストン・エボラ(以下、レストン株)というのはアメリカ国内で発見されたエボラウイルスで、レストンというのはそのウイルスが見つかったワシントン郊外の街の名前である。

アメリカがレストン株と戦ったのは、1989年のことである。レストンの街に、モンキー・ハウスという建物があった。海外から輸入されたサルに感染症がないかを確認するために、一定期間モンキー・ハウスで保管するのだ。そしてそこでサルたちが大量に死亡したため、陸軍の研究所が調べた結果、エボラ株の中でも最凶のザイール・エボラ(致死率90%)に酷似したウイルスによるものだと判明した。

結論から言えば、これがレストン株であり、後々の調査で人間への病原性はないと分かったが、当時の軍関係者とCDC(アメリカ疾病予防管理センター)の職員はそんなことは知らない。目の前に、ザイール・エボラか、それに似た凶悪なウイルスによるサルの大量死という事実だけがあったのだ。この時点では、関係者の多くが人間への感染・流行を想定していた。まさにエボラとのガチンコ勝負であり、非常に危険なバイオ・ハザードとして、防護服を着た獣医や軍人がモンキー・ハウスを厳重警戒で完全消毒(生き残っている大量のサルを安楽死させることも含む)したのである。またこの際、マスコミ報道によるパニックを避けるため、現地までは私服で移動するといった小さな工夫も施された。

国として、この経験は大きい。

今回のアメリカでのエボラ騒動は、ヒトでの犠牲者こそ初めてだが、アメリカとしては2度目の戦いということになる。そんな経験者であるアメリカにおいてでさえ、最初に述べたようなエラーが起こるのだ。エボラ初体験の日本でエボラが発生した場合、マスコミによるパニック誘発も含めたエラーは必ず起こると考えておいたほうが良い。「完璧にやれば完璧に対処できるシステム」というのは、「完璧にやれば」という前提が崩れると脆い。そうではなく、エラーを吸収できるようなふところの広いシステム、つまり「多少のエラーがあっても結果は完璧になる」というのが理想である。今のところのアメリカのシステムは、犠牲者が1人出たものの、うまくエラーを吸収しているように思える。

ホット・ゾーン-「エボラ出血熱」制圧に命を懸けた人々

こんな小説を書く人がいたのか!! 『know』


こんな小説を書く人がいたのか!!

少し前から気になっていた小説家だが、amazonで見る限り評価はけっこうバラバラだし、当たりハズレがあるタイプの作家なのかもしれないが、少なくとも本書は当たりだ。

念のために書いておくと、近未来の日本を舞台にしたSF小説である。時どきSF小説を毛嫌いか読まず嫌いしている人がいる。実は俺もそうだったが、実際に読んでみると、舞台をSFにしただけで、本質的には人間を描いている小説が多いことに気づかされた。良いものですよ、SFも。

オススメ。

2014年10月21日

感染宣告


2009年2月、東京・新橋にあるマンションの一室で、HIV感染者が集まる乱交パーティーが開かれると聞いた。

この衝撃的な一文から始まる、石井光太のルポタージュ(?)である。クエスチョンマークを付けたのは、一人称小説のような書き方をされている部分もあることと、もともと石井のルポには「ちょっと話を盛ってない!?」と言いたくなるようなところがあるからだ。

とはいえ、本書の面白さに変わりはない。読んで良かった。

2014年10月20日

セネガルでのエボラ終息宣言と今後の日本

エボラは、セネガルでは平成26年10月17日に終息宣言が出され、ナイジェリアは本日20日まで感染者が確認されなければ同宣言が発表される予定である。この終息宣言は、最長の潜伏期21日の2倍である42日にわたって、適切に経過観察された人たちから感染が確認されなければ出される。

セネガルでの終息宣言については、WHOのホームページで、
Senegal is now free of Ebola virus transmission
となっていることからも分かるように、「すべてが終わった」わけではない。あくまでも「now」、現時点では「free」だということで、今後も引き続き警戒は怠らないようにと書かれている(セネガル政府は言われるまでもなく当然そうするだろうが)。

このセネガルのエボラ封じ込め成功については、
ウニグウェ医師によるエボラ対策緊急セミナー
に詳しく書いてあった。

気をつけないといけないのは、
「発展途上国のセネガルでできたことが、この日本でやれないわけがない」
という慢心だ。本気そうそう考えている人がいるとしたら、それはあまりに能天気で楽観的な人か、あるいはセネガルを無意識に見下げている。発展途上国だからできたこと、先進国ではできないこと、やっても効果が薄いことというのがあるはずで、すべてをマネできるとは思わないほうが良いし、マネができてもまったく同様の効果があるとは期待しないほうが良い。上記リンクを読めば、
「あぁ、これは日本ではやれない……、やっても効果がない」
といったことも見つかると思う。逆に日本だからこそやれるということだって思いつくかもしれない。見習うべきは見習いつつ、日本の社会や国民性に合った方法を考え、実践していかなければならない。

最後に、セネガルとナイジェリアについて、Wikipediaで調べたことをさっと書く。敵を知り己を知り、さらに味方を知れば、百戦ますます危うからず、である。

セネガルは、国土面積は日本の半分で、人口は約1300万人、人口密度は55人/km2(日本は337人)。GDP(MER)は133億ドルで世界106位(日本は4兆8460億ドルで世界3位)。これだけを見ても、実に小規模な国だということが分かる。そしてこの小ささが、封じ込めに一役買ったのかもしれない。日本の学校で「小規模学級のほうがまとまりが良い」と言われるのと同じだ。

一方のナイジェリアは、人口なんと1億7450万人、世界7位を誇る人口大国である。国土面積は日本の2.5倍、人口密度は日本の半分強の189人/km2。GDPは5,218億ドルで、世界23位。経済規模では日本に遠く及ばないが、アフリカ内では裕福な国に入ると思う。旧首都であるラゴスは、人口1000万人と推計される大都市である。

人間の尊厳 - いま、この世界の片隅で

人間の尊厳 - いま、この世界の片隅で
フォト・ジャーナリズムの面白さを再認識した。

もともと19歳でカメラを始めたのは、長倉洋海の新書『フォト・ジャーナリストの眼』でフォト・ジャーナリズムの世界に憧れたという理由もある。昔から絵は苦手だったが、文章を書くことは大好きだった。そんな俺にとって、写真を撮ってそれに文章を加えるフォト・ジャーナリズムは、新鮮かつ魅力的に思えた(当時はネットもないし、今ほどフォト・ジャーナリストがテレビに出ることもなかったのだ)。

今回、改めて写真と文章の融合で伝えることの凄さを感じた。自分には、長倉洋海や本書の著者である林典子のような根気や度胸はないので、とうていフォト・ジャーナリストになんてなれなかっただろうが、久しぶりに胸が高鳴るような読書だった。

2014年10月17日

エボラ患者の医療廃棄物を業者が受け取り拒否。葬儀はどうなる?

アメリカではエボラ患者の医療廃棄物を業者が引き取り拒否しているようだ。これは、もし日本でエボラが発生した場合でも同様のことが起こるだろうと予測して然るべきことである。

この業者の対応について同意はできないものの、まったくもってバカげたことだと批難することもできない。エボラの感染経路に関して、UpToDateのエボラに関するページ(last updated: Oct 09, 2014.)、『TRANSMISSION Person-to-person』(感染 人から人)にある記載を一部、注釈をつけて訳してみる(原文はUpToDate Ebolaにて)。
エボラウイルスは、事前にウイルスに汚染されたものとの接触によって感染するかもしれない(※ただし、助動詞mayはかなり低い推量で、感染するとは言いきれないが、絶対に感染しないとも断言できないという感じだろう。またtransmitted thoughは恐らくtransmitted throughの誤字である)。限られたデータしかないが、ウイルスが数日間は衣類、寝具類などに残っているかもしれないと言われている(※ここでもやはり助動詞mayであることに注意)。衣類などに触れることによって感染することを裏付けるような質の高いデータはないが、潜在的リスクがあったとしても、そのリスクは適切な洗浄・消毒によって減少する。
「リスクは適切な洗浄・消毒によって減少する」とは言うものの、CDCは適切なプロトコルをもってしても看護師への感染が防げなかったのだから、廃棄物業者が「医療廃棄物は病院で適切な洗浄・消毒を済ませてある」と言われたとしても、しり込みするのは当然である。

今後、葬儀に関しても似たようなことが起こる可能性はある。遺体の安全な取り扱いに関しては、CDCは病院と葬儀社に対してガイダンスを発表している。そこでは、感染予防のための装備や手順についての他に、
「エンバーミングはするな」(※)
「遺体袋を開けるな」
「密閉された棺桶に入れろ」
といった具体的な指示もなされている。

日本でこういう取り組みがなされているのかどうか、調べた限りでは見つからなかった。日本でエボラ患者が発生した場合、検査や治療は迅速・適切に行うシステムがあったとして、それ以外の医療廃棄物や葬儀などの部分で早急かつ適切な対応をする準備ができているのかどうか、ちょっと疑問である。

<参考>
米エボラ患者の医療廃棄物、業者が引き取り拒否
UpToDate Ebola
Guidance for Safe Handling of Human Remains of Ebola Patients in U. S. Hospitals and Mortuaries

※エンバーミング
遺体を消毒や保存処理、また必要に応じて修復することで長期保存を可能にする技法。日本語では死体防腐処理、遺体衛生保全などという。土葬が基本の欧米では、遺体から感染症が蔓延することを防止する目的もある。

エンバーミングは、エンバーマーと呼ばれる葬儀の専門の技術者や医学資格を有した医療従事者によって、化学的・外科学的に遺体を処理される。 現代のエンバーミングは、具体的には以下の方法で行われている。

1.全身の消毒処理、及び洗浄を行う。
2.遺体の表情を整え、必要に応じて髭を剃るなどの処理を行う。
3.遺体に少切開(主に頸部など)を施し、動脈より体内に防腐剤を注入。同時に静脈より血液を排出する。
4.腹部に約1cmの穴を開け、そこから鋼管を刺し胸腔・腹腔部に残った体液や、腐敗を起こしやすい消化器官内の残存物を吸引し除去する。また同時にそれらの部分にも防腐剤を注入する。
5.切開を施した部位を縫合し、事故などで損傷箇所がある場合はその部分の修復も行う。この時、切開を行った部分にはテープ等を貼り目立たなくする。
6.再度全身・毛髪を洗浄し、遺族より依頼のあった衣装を着せ、表情を整え直した上で納棺する。

上記の処理を行われた遺体は注入される薬剤の濃度や量により数日~2週間程度までは常温での保存が可能である。またこれ以上に徹底した処理を行えば、保存可能期間を更に延ばすことができ、防腐剤の交換など定期的なメンテナンスを行えば、生前の姿のまま保存展示を実現することが可能である。
Wikipedia:エンバーミングより

なかないで、と励ますサクラ

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サクラと二人で風呂に入っていた時のこと。シャンプー前にサクラの頭に水をかけたら、サクラがもの凄く怒ったので、ちょっと大げさに泣きまねしてみた。すると、戸惑った様子で、

「なかないで……、なかないで!!」

しばらくそう繰り返した後、

「もうすぐ、ママきてくぇうかぁ(来てくれるから)、だいじょうぅだよ」

と声をかけてきた。

一生懸命に慰めて励ます言葉と態度に胸がホッコリきたが、元はと言えば、サクラの怒りすぎが原因である(笑)

高熱隧道


吉村昭の「小説」である。読み終えるまでずっとノンフィクションだと思っていたが、ブログを書く前に調べて知った。史実に基づいてはいるものの、登場人物・団体は仮名とのこと。

どうりで……。

「実際に現場を見たかのような迫真の描写」

というのをここでの紹介文句にしようとしていたくらいなのだが、「小説」であれば吉村昭の脳内で実際に繰り広げられた場面であり、それを吉村昭の筆力で描けば迫真性があるのは当然のことであった。

一気読み。

余談ではあるが、隧道はズイドウと読む。

2014年10月16日

【エボラ】 本当にこういうことで大丈夫?

エボラに関連して、テレビで防護服の脱ぎかたがあっていた。

感染症セミナーかなにかで、専門家らしき人が壇上でフード部分を外しながら、
「こうやって巻き巻きしながら」
と演じて見せるのだが、手袋が髪の毛に触れないかヒヤヒヤした。ああいうふうにやるのなら、防護服の内側でさらにキャップをかぶらなきゃ危険だ。

恐らく感染防御の専門家がやっているであろう実演でさえ、素人の俺に穴が見つけられるくらいだから、国立感染研究所の高官がエボラに対処する適切なシステムがあるなんて言っても、実際の現場での安全が確保されるかどうかは怪しいものだ。

2014年10月15日

【エボラ】 システムやプロトコルが完璧でも、現場は人で動く

アメリカでエボラを発症して亡くなった患者を看護していた看護師が感染して治療を受けている。スペインに続き先進国の病院での感染は2例目である。先進国でのエボラ治療はせいぜい数十人程度しかやっていないにもかかわらず、医療従事者が2人も感染するのは、医療上の感染事故率として脅威的な数字である。

このアメリカでの看護師の感染事故に対しCDCの局長は、「重大なプロトコル違反があった」とコメントし、それが批判を浴びることになっている。当然である。

仮に今回の感染の原因がヒューマン・エラーであったとしても、本来は「ヒューマン・エラーがあっても感染事故につながらないシステム」を目指すべきであって、感染事故が起きた場合にはそのプロトコルのどこにエラーの起きやすがが潜んでいるのかを検証するのが大切である。だから、事故直後に「プロトコル違反があった」と言ってしまうのは対応としてお粗末だった。その後、CDCはプロトコルの見直しをすると発表している。

完璧で適切なシステムやプロトコルがあったとしても、現場で人が動く以上、それが完璧で適切にはたらくかどうかはまた別の話なのだ。

日本では国立感染研究所の高官が、
「日本は患者を安全に扱うための適切なシステムがある」
と語ったという件は以前に書いたが、適切なプロトコルがあって自信満々だったはずのアメリカで看護師が感染したということを他山の石とすべきであろう。

局長の失言はともかくとして、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)のホームページの作り方はさすがだと感心する。
Centers for Disease Control and Prevention
平成26年10月15日時点で、ホット・トピックであるエボラをトップページで大々的に扱い、そのエボラ特集のページにしても凄く分かりやすい。英語とスペイン語に対応しており、医療の専門家でなくても、また文字の読めない人でも理解できるような絵を主体としたPDFパンフレットも置いてある。CDCのこのサイトは、英語が読めない日本人が見たとしても、魅力のない国立感染研究所のエボラのページよりは滞在時間が長いんじゃなかろうか。ついでに言えば、CDCはサイトURLもスマートである(http://www.cdc.gov/)。

<参考>
U.S. CDC head criticized for blaming 'protocol breach' as nurse gets Ebola

よく泣き、よく笑う

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ユウの生後一週間ころの写真。いまはもっとたくましく、しっかりした体と顔になっている。

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驚くのは彼女のまつ毛で、もの凄く長いうえに、くるんと上向きパーマがかかっている。まつ毛だけなら、まるで西洋人形のようである。さてこれから、どうなっていくのやら。

2014年10月14日

音楽と人間の脳の不思議なつながりを感じるエピソード

4歳か5歳のころ、保育園でバスに乗って遠足に出た。同伴した親らが、バスのマイクで童謡や歌謡曲を歌っていると、子どもの誰かが泣き出した。それを大人たちが一生懸命になだめていた。
「そんな泣かなくても良いのよ、哀しい歌じゃないのよ」
それは、こんな歌い出しだった。

「春を愛する人は心清き人」

曲名は今調べて知ったのだが『四季の歌』。確かに歌詞は決して哀しい内容ではない。



5歳の子どもに感じとれたのは、短調の音楽のもつ悲しい響きである。このことを思い出すたびに、音楽の持つ力、というか、音楽と人間の脳との不思議なつながりが面白く感じられる。

音楽嗜好症(ミュージコフィリア)―脳神経科医と音楽に憑かれた人々

カレーパンマンみたい

サクラに、
「歯磨き行こうぜ!」
と声をかけたら、
「カレーパンマンみたい」
と言われた。

なんのことか分からず一瞬キョトンとしたが、ああ、なるほど、言葉遣いのことね(笑)

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2014年10月10日

エボラウイルスに対する日本の現状

一般の人はほとんど知らないと思うが、エボラ出血熱が疑われる患者が現在の日本で出た場合、非常にまずい状況にある。

エボラは日本では1類感染症に分類される。国内でエボラを含むこの1類感染症が疑われる患者が見つかった場合、患者は直ちに指定医療機関に収容される。これは平成26年4月1日時点で全国に47施設、92床ある(参考:厚生労働省)。つまり感染力の強いエボラが100人規模で流行した場合、あっという間にパンクするということだ。

それでも、治療が間に合うならまだ良い。問題はそれ以前にもある。

エボラが疑われた場合、診断を確定させないといけないが、そのための施設が日本では稼働していないのだ。もう少し詳しく書くと、疑い患者からの検体はまずBSL-4施設(BSLはBiosafety Levelの略)に送られ検査される。BSLは1から4まであり、BSL-4施設は『危険性が極めて高い感染症を最も安全に取り扱うための設備を備え、最も厳重な管理運営がなされる施設』である。この施設を持つ国立感染研究所(東京都)も、理研の筑波研究所(茨城)も、実は地域住民の反対にあって現在稼働していない。

ではどうするかというと、検体をアメリカなどに送って確定診断してもらわなければならない。そして診断が確定するまでは対症療法(解熱、輸液、輸血など)だけしかできない(参考 長崎大学HP 日本でBSL-4に該当する病原体の感染者が発生した場合、現状だと、感染者はどのように処置されるのですか?)。先日話題にしたエボラに効くかもしれない薬が、本当に効果があったとしても、診断が確定するまでは投与できない。数日の治療の遅れが致命的かもしれない病気にとって、このタイムラグは深刻だ。また、エボラのような危険なウイルスを含む可能性の高い検体を国外に持ち運ぶリスクもあり、それを受けとる国の人たちの反感もあるだろう(平成26年10月11日追記 厚労省は国立感染研究所で検査をする方針のようだ。参考 万一、日本国内でエボラ出血熱の患者が発生した場合、どのような対応が取られるのですか?)。

これらに関して、平成26年8月7日付のJapan Timesに気になる記事があった。
Japan could handle Ebola outbreak, health official says
全文は訳せないが、第2パラグラフを簡単に訳すと、
「国立感染研究所の高官は、日本は患者を安全に扱うための適切なシステムがあると語った」
この職員は当然、BSL-4施設が稼働していないことは知っているだろう。そのうえで、これほど楽観的なのが怖い。

普段は使用していないBSL-4施設をいきなり再稼働させたとして、非常に高度な教育を受けている専門スタッフでさえ不慣れな部分が出てくる。それに加えて絶対に忘れてはいけないのが、施設は専門スタッフだけで動くわけではない、ということだ。掃除をはじめとして、高度専門スタッフ以外が関わる部分が必ずある。そういう業務に携わる人たちを、日ごろからBSL-4施設でトレーニングしておかなければならない。さもないと、スペインの看護助手が顔を触って感染したようなケースが絶対に発生する。適切なシステムがあっても、それを運用して現場で働くのは人間なのだ。国立感染研究所の高官からして、この程度の甘くて緩い認識である。エボラが日本で発生した場合、どういうことになるかが目に浮かぶというものだ。

<関連>
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アメリカのエボラ患者が死亡、それからスペインでの患者の感染理由

パインズ -美しい地獄-


今年3月に邦訳されたばかりのアメリカ人作家による小説。
前知識がまったくなくて読むほうが面白いと思うので、amazonの紹介文だけを引用しておく。
川沿いの芝生で目覚めた男は所持品の大半を失い、自分の名さえ思い出せない。しかも全身がやけに痛む。事故にでも遭ったのか……。やがて病院で記憶を回復し、みずからが捜査官だと思い出した男は、町の保安官や住民に助けを求めた。だが、この美しい町パインズはどこか狂っていた。住民は男が町から出ようとするのを執拗に阻み続け、外部との連絡にも必ず邪魔が入る――絶対予測不能の衝撃のラスト!
日本語として変な訳もなく読みやすかったし、内容的にも面白かった。訳者あとがきによると、シャマラン監督によってドラマ化されるらしい。確かにテレビドラマに向いているような展開だった。

2014年10月9日

アメリカのエボラ患者が死亡、それからスペインでの患者の感染理由

アメリカでエボラを発症して治療されていた患者が死亡した。このニュースのポイントは、先進国アメリカで治療されても死亡することがあるということだ。

調べてみると、先進国ではスペインでも2例、死亡例があるようだ。先進国で治療されたのが正確に何人かは調べきれなかったが、20人足らず、どんなに多くても30人はいないようだ。死亡例は合計3例(俺が把握している分)だから、今のところ先進国で治療を受けても致死率が10%以上はあることになる。母集団が少ないので、これを統計とは言い難いが、接触感染という感染経路、感染力の強さと総合して考えると驚異的な数字である。

昨日書いたエントリでは、スペインで発症したのが看護師としたが、実際には看護助手だったようだ。報道によると、彼女は「患者を看護した後、手袋をしたまま顔を触ったかもしれない」らしい(参考:BBCニュース『Ebola crisis: Infected Spanish nurse 'may have touched face'』)。この看護助手がどの程度の医療知識レベルを持っていたのか、そこまでは詳しく調べていないので分からない。「看護助手」は、国によって、あるいは病院によって、同じ病院でも業務内容によって、医療知識が大幅に違う。だから看護助手の知識不足で感染したとまでは言えないと思う。

このブログを読んでいる人には、
「これだけ危険と言われているのに不用意すぎるだろ!」
というツッコミではなく、顔を触るだけで感染してしまう感染力に注意を向けて欲しい。

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米エボラ患者死亡、経過観察中の48人症状現れず
2014年 10月 9日 04:13 JST
[ダラス 8日 ロイター] - 米国内で初めてエボラ出血熱への感染が確認され、テキサス州ダラスで治療を受けていたリベリア人男性患者が8日、入院先の病院で死亡した。
テキサス・ヘルス・プレスビテリアン病院の広報担当者は、電子メールで声明を発表し「トーマス・エリック・ダンカン氏が今朝7時51分、永眠されたことをご報告せざるを得ず、深い悲しみと失望にたえない」と述べた。
保健当局の発表によると、男性と直接的、間接的に接触した約48人については経過観察が続いているが、これまでのところエボラ熱への感染を示す症状などは見られていない。
米ホワイトハウスは同日、エボラ出血熱の感染拡大を防ぐため、国内5つの主要空港で到着客に対し検査を実施すると明らかにした。ただ今回死亡した男性は入国後に発症していることから、空港での検査などの有効性に疑問を呈する声も上がっている。
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPKCN0HX1TO20141008

生後1週間のユウ

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写真の整理が遅くなってしまって……。

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可愛い!!

2014年10月8日

スペインでエボラ感染者が発生

スペインで、エボラ出血熱(以下、エボラ出血熱、エボラウイルスともにエボラと表記)患者の看護にあたっていた看護師(平成26年10月9日訂正 看護師ではなく看護助手だったようだ)がエボラウイルスに感染した。

先日書いたアメリカのケースは「感染したのはアフリカで、発症したのが米国」である。初の「アフリカ以外での発症」と報道されているが、ハリソン内科学には「スイスで発症して気づかれずにいた感染患者」という記載がある。また、Wikipediaではイギリスでの発症の話も書いてあった。このあたりの事実関係は、どれが正しいのかよく分からない。

今回の看護助手は、初の「アフリカ外での感染、アフリカ外での発症」である。この細かい違いは些細に感じられるかもしれないが、エボラのように人から人へ感染する病気では、感染可能性のある人を予測する上で非常に重要な要素である。

いずれにしろ、これまでのエボラの小規模流行において、エボラ治療はほぼすべてアフリカ各国内で行なわれていた。そのため「致死率50-90%」について、ハリソン内科学では、
この高い致死率には、アフリカの医療施設の劣悪な環境の影響もあると考えられる。
と記述されている。だとすれば、今後もし先進国で小規模流行したとしても、適切な集中治療を施された場合の致死率は、これまでのデータほど悪くはないかもしれない。

ただし、問題はエボラの感染力である。同じくハリソン内科学では、エボラの人から人への感染流行について、
途上国では一般的であった滅菌されていない注射針と注射筒の使用が明らかとなった。
とある。しかし、今回のスペインのケースを見れば分かるように、先進国内で感染防御の知識・技術・器材があっても感染することがあるくらい、エボラの感染力は強いのだ(このニュースでは実は一番そこが重要)。ロイターが写真付きで報じているが、これほどの厳重警戒が必要だと分かっていても感染するのだ。平成26年10月3日時点でのエボラ患者数は7493人(※)だが、同数のHIV、B型肝炎、C型肝炎の患者を治療したとしても、短期間でこれほどの感染事故は起こりえないだろう。

先進国で適切な集中治療を受けた場合の致死率が1%だとしても、万が一に東京で1000人が感染した場合、その1000人を隔離し、集中治療するためのベッドが足りるのかどうか……。通常の集中治療であれば余裕だろうが、テレビ映像で見られるほどに感染防御を徹底しながら治療できる施設となるとかなり限られるだろう。高度な感染防御が可能な治療施設からあぶれた患者は、普通の病院の集中治療で生き延びるにしても、そこで感染を拡大させる要因になるだろう。そう考えると、先進国での致死率が低くても安心はできない。

インドでも日本人女性が発症したという情報がある(平成26年10月10日訂正 この女性は陰性であった)。散発的にアフリカ以外での発症者が出ている現在、エボラに関する情報には敏感になっておいたほうが良いだろう。

なおアフリカでマールブルクウイルス感染者も確認されたようだ。これはエボラと並んで凶悪なウイルスであり、こちらも要警戒である。

※WHO発表。一方アメリカのCDC(疾病対策センター)はWHOの統計が実数の40%程度だろうと考え、実際の患者は2万人以上いると予想している。

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ザッとで分かる恐怖のエボラ出血熱
エボラに効く薬が発見!? これで喜ぶのは無邪気すぎる!!

最近、ハリソン内科学(3万円!!)、大活躍である。
【10月7日 AFP】スペインの首都マドリード(Madrid)の病院で、エボラ出血熱に感染し後に死亡した患者2人の治療に当たっていた女性看護師1人がエボラウイルスに感染したと、スペイン政府が6日発表した。アフリカ大陸以外での感染が確認されたのはこれが初めて。
西アフリカでは、エボラウイルスにより今年に入って約3500人が死亡している。スペインのアナ・マト(Ana Mato)保健相はテレビ放送された記者会見で、この看護師の同ウイルスへの感染が2度の検査で確認されたことを受け、緊急治療計画を策定したと発表。「全国民の安全確保のため尽力している」と述べた。
この看護師は、アフリカでエボラ出血熱にかかって8月と9月に相次いでスペインに帰国しカルロス3世病院(Carlos III Hospital)で治療を受けていたものの、間もなく死亡した高齢の宣教師2人の治療チームに所属していた。
女性看護師は先月30日に体調不良を感じ始めていたものの、発熱を訴えて受診したのは今月5日になってからだという。
既婚で子どもはいないという准看護師のこの女性は現在、マドリード南郊のアルコルコン(Alcorcon)の病院に隔離され、治療を受けている。
記者会見したマドリードの一次医療ディレクター、アントニオ・アレマニー(Antonio Alemany)氏は記者会見で、この看護師がエボラウイルスに感染した以降接触があった可能性のある全員の特定を保健当局が急いでいることを明らかにした。(c)AFP/Anna CUENCA
http://www.afpbb.com/articles/-/3028239

ミミズがいたの

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先月のスーパームーンの夜、妻とサクラが寝る前に月を見るため庭に出て行った。俺は面倒だったので寝室で横になっていた。すると、そこにサクラがてくてく戻ってきた。そして、こんなことを言う。

「ミミジュ、パパ、ミミジュがいたのぉ」

「ん? ミミズ? 庭に?」

「ミミジュいたのぉ」

「どこに?」

「そこに」

「へ?」

サクラはリビングを指差すが、ミミズは見当たらない。部屋に戻ってきた妻にもそのことを話して、

「まさかムカデがいるんじゃないだろうか?」

と心配したが、あちこち探しても見つからなかった。


それから数日後、我が家に薬剤師のT夫妻を招いて焼肉をした。T夫妻の長男はサクラと同級生になるので、一緒に遊んではしゃいでいたのだが、突然サクラが、

「パパ、みみじゅ、みみじゅがいたのぉ」

と言うので、

「ミミズはいないよ」

と笑顔で答えつつ、リビングに敷かれた子ども用の布団をめくってみたら……。

出ました、ムカデ。

やっぱりそうだったのか……。

小さめのムカデだったので、ティッシュを丸めて手で潰した。見つけた時点でプルプル弱っていたので、もしかすると遊びまわる子どもたちに踏まれていたのかもしれない。誰も噛まれなくて良かった。

サクラにはしっかりと、

「ム・カ・デ」

と教えておいた。今年に入って、20匹めくらい……。

ルポ 最底辺 不安定就労と野宿

ルポ 最底辺 不安定就労と野宿
著者は、同志社大学に在学中から釜ヶ崎へ出向いて野宿者へのボランティアを始め、また自ら日雇い労働に従事してみて、野宿者らの支援を考え続けている。そんな著者だけあって、かなりしっかりした文章である。

が、しかし、である。

もう少し個々の野宿者の生活歴に迫って欲しかった。時おり記述があるものの、それは著者自身のものではなく引用が多かった。もう少し個人にスポットを当てたものが読みたかった俺としては若干不満の残る読後感。

2014年10月7日

カシオペアの丘で

カシオペアの丘で 上

不思議なものだ。

この本はもう5年程前に買って、ずっと本棚に置きっぱなしだった。いい加減に読もうと思ってページを開いて驚いた。主人公は39歳、俺と同じ歳だった。それから舞台となる季節が初秋から冬で、本を読み始めたのが9月17日。

そういえば、重松さんの『かあちゃん』では、話の軸となる主人公の母親が還暦で、俺の母もその本を読んだ年に還暦を迎えた。あの時も本と自分との不思議な縁を感じたものだった。

本好きには分かると思う。
本とのこういう出会いは、決して珍しくないのだ。

夜の洗濯物

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2014年10月6日

言葉の練習 「おくすり」

サクラは、「おくすり」のことを「おすくり」と言う。

「サクラ、おすくりじゃないよ、おくすりだよ」
「おすくり?」
「ちがうちがう、よし練習してみるか」

二人で向き合う。

「おー」「おー」
「くー」「くー」
「すー」「すー」
「りー」「りー」

「よし、これで大丈夫かな?」
「うん」
「おくすり」
「おすくり」

ダメだこりゃ(笑)

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静かなマウスが心地いい

午前4時過ぎから活動開始することもある超早朝派の俺にとって、マウスのクリック音はけっこう気になることだった。そこでネットで調べて見つけたのがコレ!!

ものすごーく静か。さらに素晴らしいのが、位置読み取りのブルーLED。我が家のノートパソコンは、真っ白なテーブルの上に置いてある。これまでの光学マウスでは反応がかなり鈍かったので、仕方なくその辺のチラシなどをマウスパッドがわりにしていたのだが、このマウスはそのテーブルの上でもスムーズに動く。これは感動もの。

2014年10月5日

エボラに効く薬が発見!? これで喜ぶのは無邪気すぎる!!

フランスで治療されていたエボラ患者が回復したようだ。「日本の薬を投与した」と見出しをつけた記事が多いが、きちんと読むと、この患者は日本の薬投与されていたのであって、実際には3種類の薬を投与されていることが分かる。とはいえ、いずれにしろ、多くの人にとっては「エボラに対する治療薬が発見された」という朗報に感じられるだろう。

しかし、これで安心するのはあまりに早計である。

確かにエボラは致死率50-90%という非常に危険な病気である。ただしこれは、ひっくり返せば回復率10-50%ということでもある。つまり感染者の10-50%は、薬とは無関係に回復するのだ。だから、この患者が薬の効果で回復したのかどうか、実はこの一例だけではなんとも言えないのである。

過去に類似薬がないまったくの新薬は、プラセボとの対照試験をしないと効果が分からない。しかし、治験するにしても致死率の高いエボラでは倫理的にプラセボ群は用意できない。今後たくさんの感染者に投与して、明らかに効果があると分かるまで楽観してはいけない。

また、もし薬が効いて回復したのだとしても、3種類のうちどれが効いたのか分からないし、それをこの先どうやって特定するかも悩ましい。というのも、やはり倫理的に投与群をいくつかに分けて研究することが難しいからだ。しばらくは3剤併用になるのではなかろうか。

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ザッとで分かる恐怖のエボラ出血熱
エボラ熱、日本の薬投与した仏女性治癒 富山化学が開発
2014/10/4
【パリ=共同】フランスのトゥーレーヌ保健相は4日、エボラ出血熱に感染し日本の製薬会社が開発したインフルエンザ治療薬などを服用していたフランス人女性看護師が治癒し、病院を退院したと発表した。フランス公共ラジオが伝えた。
服用していた日本の薬は、富士フイルムホールディングス傘下の富山化学工業(東京)が開発した「アビガン」(一般名ファビピラビル)。フランス保健省は米国、カナダの製薬会社が開発したものも含む計3種類の薬の投与を「実験的治療」として認めていた。
フランスの医療チームは11月にも西アフリカのギニアで、アビガンの投与を実験的に開始する方針。フランス国立保健医療研究所の担当者は「大量生産ができる態勢で副作用への懸念が少ないこと」などをアビガンの利点に挙げている。
女性は国境なき医師団(MSF)のボランティアとして活動していたリベリアで感染が発覚。9月19日にパリ郊外の病院に搬送された。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG0402H_U4A001C1CR8000/

2014年10月4日

ザッとで分かる恐怖のエボラ出血熱

マスコミがバカ騒ぎしているデング熱、デング出血熱なんかとは比べ物にならないくらい恐ろしいエボラ出血熱(以下エボラ出血熱、エボラウイルスなど煩雑なのでエボラのみと記す。文脈で出血熱かウイルスか判断されたし)について、医療従事者でなくてもザッとで分かるように書いてみたい。
  • エボラの死亡率は良くても50%、悪いと90%。
    今のところ認可された治療法はない。現在、未認可の治療薬が緊急性を考慮して使用されているが効果や副作用のデータは乏しい。
  • 「空気感染しない」は安心材料ではない。
    エボラは接触感染が主で、感染者の体液に触れることで感染する。そして「空気感染はしない」ということが安心材料のように言われているが、空気感染とは「飛沫が約1メートル以上を伝わって感染する」ことである。エボラはインフルエンザのように飛沫感染(咳やクシャミで飛ばされる飛沫による感染で、範囲は感染者から約1メートル)する可能性が示唆されている。毎年インフルエンザが流行することを思い出してもらえれば、飛沫感染の恐ろしさがよく分かると思う。
  • エボラは、感染者のあらゆる体液中に多量に含まれる。
    この体液とは、精液、血液、唾液など、いわゆる「濃厚な接触」を必要とするものだけでない。小さな傷、あるいは汗にも含まれる可能性が指摘されている。
  • 潜伏期は2-21日で、症状は突発的。
    発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、食欲不振、嘔吐、下痢、腹痛などを呈し、進行すると口腔、歯肉、結膜(眼球や眼瞼など)、鼻腔、皮膚、消化管など全身から出血して死亡する。この嘔吐物、便、血液には当然エボラが多量に含まれている。
  • 「症状のない患者からは感染しない」は安心材料ではない。
    上記の症状を呈した人、たとえば家で嘔吐した人は、その嘔吐物を誰がどうやって処理するのか。その後どうやって病院に行くのか。家族の車か、タクシーやバス、電車か、救急車か。病院に着いてからすぐに診てもらえるのか。待合室でまた嘔吐したらどうするのか。最初に接触する医療従事者の感染防御意識はどうか。このように、「症状のない患者からは感染しない」とはいえ、症状のある患者が医療機関で隔離されるまでに、無防備あるいは不完全な防御で接触する人たちは非常に多い。
  • 感染経路、感染力、致死率の総合評価で、間違いなく最悪のウイルスである。
    致死率の高いウイルス、感染症は他にもある。例えば狂犬病ウイルスは感染したら致死率100%だが、これは動物に噛まれなければ良い。一方のエボラは、テレビで見るような感染防御をしていてさえ、医療従事者が感染している。例えそれが不注意によるエラーであったとしても、それならなおのこと、素人である一般人がマスクや手袋をして、うがいや手洗いを徹底した程度で、適切な感染防御ができるとは考えないほうがいい。

平成26年9月30日、エボラを「発症した人」がアメリカで1名確認された(42歳男性)。

これまでアメリカでエボラ患者がいなかったわけではなく、5人程度がアフリカで発症して帰国し、アメリカで治療を受けていると言われていた。このように発症が確認されて帰国する人の場合、入国前から感染予防措置がとられる。ところが、上記男性の場合、9月20日にアメリカに到着し、それから5日ほどで発症している。エボラと確認されたのは30日である。つまり、発症してエボラと確認されるまで5日間あったということである。

この男性は発症後、9月26日に一度は病院を受診し、アフリカを訪れたことを告げたにもかかわらず、抗生剤を処方されて帰宅となっていた。致命的なエラーと言えるが、これは日本でも充分すぎるほど起こりうることである。今後、もしアメリカで小流行が起きたとして、アメリカから帰国して体調不良を呈した人を厳重に診療、場合によっては隔離的な治療をするとなれば、コンビニ感覚で利用されている日本の病院はあっという間にパンクするだろう。

なお現在、アメリカではおそよ100人が経過観察されている。この100人が、感染疑い者を100%捕捉したものであれば、今のところそう心配は要らないかもしれない。しかし、1人でも漏れがあって、その1人が実際に感染していたら、また新たに接触者100人近くを経過観察しなければならない。

あまり考えたくないことではあるが、早ければ今年中に、日本国内で感染・発症者が出るのではないかとすら危惧している……。

<追記>
世界流行したことで悪名高いスペインかぜでは、世界全体での死者が5千万人にのぼったが、感染者は6億人なので、致死率は10%弱である。この時、日本では50万人弱が死亡している。当時の世界人口は20億人である。
現在の世界人口が70億人。致死率90%のエボラがスペインかぜなみに流行すれば、20億人くらいが感染し、そのまま20億人くらいが死亡する……。スペインかぜの時の死者、世界5000万人、日本50万人の比率をここに単純に当てはめたら、日本では2000万人が死ぬ。
エボラみたいに人から人へうつる感染症の場合、人の往来が多く感染が広まりやすいけれど高度な医療技術が普及している先進国と、人の往来は先進国ほど多くはないけれど高度な医療技術もそう普及していない発展途上国と、どっちが良いんだろう?

<関連>
エボラに効く薬が発見!? これで喜ぶのは無邪気すぎる!!

ホット・ゾーン 「エボラ出血熱」制圧に命を懸けた人々

医学部に入る前、まだ会社員時代に読んだ本。あれから15年以上、人類を脅かすのはエボラだと思ってきた。だから、数ヶ月前からアフリカでエボラが流行していることについてマスコミがサラッとしか扱わず、デング熱なんかで大騒ぎしていることがもどかしくて仕方がなかった。ここにきて、ようやくマスコミもしっかり報道するようになってきたか……? エボラ報道なんか売れないと思われているということは、すなわち読者・視聴者のレベルなんてその程度だと考えられているということだろう。残念だし、悔しい。

2014年10月3日

おべんとう

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出勤する時に、サクラが妻の真似をしておべんとうを作って持たせてくれることがある。荷物にはなるんだけれど、断れないよね(笑)

2014年10月2日

寝返り体操

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寝返り体操をするユウと、それを見守るサクラ。もう一人写っているのは妻ではなく……、ママ友かな?

2014年10月1日

潜水服は蝶の夢を見る

潜水服は蝶の夢を見る

脳出血によってロックトイン・シンドローム(locked-in syndrome)となってしまったフランス人男性が「書いた」本。彼は雑誌『ELLE』の編集長だったが、43歳の時に突然脳出血を発症したのだ。

ロックトイン・シンドロームは、顔面や四肢が麻痺して発語不能になる。意識障害ではなく運動障害で、意識が体に「閉じ込められた」状態になる。まばたきや垂直方向の眼球運動による意志疎通は可能だ。「はい」ならまばたき1回、「いいえ」なら2回といった具合に。

この本は、著者が20万回以上のまばたきで書き上げたものらしい。どうやるかというと、アルファベットをフランス語で頻繁に使われる順に並べたものを用意し、聞き手が1文字ずつ確認していくのだ。そして著者が意図した文字に来たところでまばたきをする。

なんて気の遠くなる執筆活動だろう!!

著者はフランスで本が発売された2日後、感染症による合併症で他界したそうだ。2冊目を「執筆」する予定もあったらしい。本書が面白かったかどうかというより、そのバイタリティに胸を打たれた。

子どもの感性

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子どもの感性というのは面白い。

先日、

「ママはドキンちゃん。パパはホラーマン」

なんて言っていた。『アンパンマン』の中で、ホラーマンはドキンちゃんにぞっこん惚れていて、ドキンちゃんは悪女よろしくホラーマンをあしらう。現実と虚構という二つの世界における二者の関係性を、実によく観察し把握している(笑)

ところで、

「じゃ、サクラはなに?」

と聞くと、答えはもちろん、

「サクラは~……、アンパンマン‏!」

だった。


それと、ちょっと前から、

「ママのパパ」

と言うようになった。「サクラのパパ」「ユウのパパ」とも言うが、決して「パパのママ」とは言わない。このあたりもサクラなりの感性の結果なのだろう。

最近はときどき、おとうさん、おかあさん、と呼ぶようになってきた。俺の中では「おとうちゃん」と呼ばせようと思っていたんだけどなぁ。

※写真はアンパンマンにオッパイをあげているところ(笑)