2018年8月21日

俳句の本で、まさか泣くとは思わなかった…… 『100年俳句計画』


バラエティ番組『プレバト!』で夏井いつき先生を知り、そこから俳句のおもしろさを感じるようになった。

もともとは季語に縛られず、字数制限も緩やかな短歌のほうが好きだったが、夏井先生の「言葉を無駄遣いするな!」という指導に感動し、芸能人が作った俳句の「直し」を夏井先生より先に指摘することに愉しみをおぼえた(もちろん、当たるときもハズレるときもある)。

本書は2007年の本で、『プレバト』の開始が2012年だから、いまの俳句ブームよりだいぶ前に書かれたものである。

指導はやはり上手い。たとえば、「チューリップ」を季語にした男子校での作品。
あこがれの君があいつとチューリップ
寒いダジャレに、教室からはクスクス笑いが漏れる。そこで夏井先生。
「きみら、チューっていう音だけで、その気になったりバカにしたりしてるけど、この句の中の『が』という助詞を『と』に変えてごらん」
実際に変えてみると、こうなる。
あこがれの君とあいつとチューリップ
おお、たしかに情景が浮かぶような俳句になっている!

このほか、思わず涙ぐむようなエピソードのある俳句がある。エピソードのほうは本書を読んでもらうとして、俳句だけを紹介しておく。
母さんが来てくれた日のさくらんぼ   健(小4)
にいちゃんがたすけてくれるあきの山   真(小1)
俳句好きでも、そうでなくても、この二つの俳句の裏にある事情を知れば、思わず涙するだろう。

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