2016年12月22日

より深い頭痛診療への良質な案内書 『迷わない! 見逃さない! 頭痛診療の極意』


精神科にかかりつけの患者には、慢性的な頭痛を訴える人が多い。そこで、彼らの頭痛を少しでも改善するべく、まずは読みやすそうな本書を手に入れた。

実は、妻にも時どき頭痛が起こる。本書の中身にそって、いくつか質問したところ、やはり妻の頭痛は片頭痛で間違いなさそうだが、緊張型頭痛も混じっているようである。この「混じっている」というのが本書のミソでもある。数多くの頭痛患者を診療した著者はこう書いている。
ほとんどすべての慢性頭痛の患者は片頭痛と筋収縮性頭痛(緊張型頭痛)をもっており、片頭痛の割合が多い患者が片頭痛で、半々くらいであればcombined headache、筋収縮性頭痛が主であれば筋収縮性頭痛の患者としているだけで、厳密にいえばほぼすべての患者はcombined headacheであると考えていた。そして、片頭痛と筋収縮性頭痛の特徴が混在した頭痛は多く存在し、厳密に分けることは不可能であると考えていた。
これは今でも間違いではないと考えているとのこと。「目からウロコ」だった。確かに臨床の現場でも、妻の頭痛でも、混在頭痛と考えればしっくりくることが多い。

これは買って正解だったと思う。より深い頭痛診療への案内書として良質である。本書を読んで、頭痛診療にますます興味が持てるようになったおかげで、『慢性頭痛の診療ガイドライン』まで買ってしまった。これはAmazonで購入できるが、中身を見るだけなら日本頭痛学会のホームページにPDFが置いてある。

最後に、著者が箇条書きで教示してくれている「Clinical pearls」を引用しておく。

・人生最悪の頭痛は危険な頭痛。
・「この患者さん、診たくない」と思ったら、二次性頭痛は絶対除外。
・高齢者の頭痛をみたら、側頭動脈炎を疑う。
・この患者は片頭痛か緊張型頭痛かと考えるのはやめて、片頭痛があるかどうか考えよ。
・入浴、運動、飲酒で、悪化すれば片頭痛、改善すれば緊張型。
・「これまでにも同じような頭痛がありましたか?」 緊急性の高い二次性頭痛の有無を見抜く。
・生理痛で頭が痛いのは、きっと月経関連片頭痛です。

これらの「Clinical pearls」それぞれに文章による解説があるので、興味をもった人はぜひ本書を読んでみて欲しい。


<関連書籍>
慢性頭痛の診療ガイドライン〈2013〉

0 件のコメント:

コメントを投稿