例えば一人暮らしをしている人が、夏場に自宅で突然死してしまい、2週間後に臭い(それは死臭であるが)の苦情で発見された場合、部屋はとんでもないことになっているそうだ。布団、床は体液で汚れ、すべての家具類に死臭がしみこんでいる。そうした「遺品」を整理する会社の社長が書いた本である。
整理、とはいうものの、実際のところは合同供養をして処分することが多いそうだ。気分的なものもあるだろうが、本書の内容から察するに遺品にしみついたニオイは相当に厳しいものがあるようだ。
著者の「独居死をなくすのは無理。それよりは、独居で亡くなっても、1-2日くらいで誰かが気づいてくれるような人間関係を作ろう」という主張にはすごく共感。家族、友人、知人、地域のコミュニティ。そういったつながりこそが「早期発見」につながる。
とはいえ、性格・気質的にそういうつながりを持てる人ばかりではない。精神科で俺がみている人たちにも、独居死しそうな人はたくさんいるし、実際に死後数日してから発見された人たちもこの数年間で何人かいる。
せめて自分や自分の家族、友人らの最期がそういうものでないように願うばかりである。
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