サックス先生による「幻視」についての本。サックス先生の本はこれまでもたくさん読んできたが、その中でも本書はハズレのほうに入る。ちなみに、一番のヒットは
『音楽嗜好症』『火星の人類学者』で、映画化もされた有名な
『レナードの朝』は俺にとってイマイチであった。
『音楽嗜好症』も『火星の人類学者』も、サックス先生と患者のやり取りや、サックス先生の考察がふんだんに記されているのに対し、『レナードの朝』はケースの羅列に近い印象を受けた。ストーリー性、知的好奇心への刺激を求める人は『音楽嗜好症』『火星の人類学者』がお勧めである。
本書はどうだったかというと、他書や論文や手紙からの引用が多すぎた。サックス先生と患者との直接の触れ合いや、先生自身の考察があまりなく、とても物足りなく感じた。
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